本日の相談者:メーカー勤務・44歳
「新卒採用において、会社の人事部から最終段階の面接を依頼されることがあります。その際、出自や思想などの項目はNGなど、ひと通りの面接での注意事項は聞かされるのですが、どんな質問をするかは任せられています。私としてはガクチカ(=学生時代に力を入れたこと)みたいな質問は避けたいのですが、何か良い聞き方はありますか?」
アドバイスしてくれるのは……
そわっち(曽和利光さん)◎1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。
コミュニケーション能力の高い人は面接が苦手?
採用面接は、人物評価ができるよう具体的な情報を細かに取得しなければならず、特殊なスキルが必要です。
日常的な話では、相手からの情報が不足していても、それまでの知識や経験、想像力で埋め合わせて、相手を理解しようと努めますが、そういう「ふつうのこと」をしてはいけないのです。
相手が言ってもいないことを勝手に想像で埋めてはいけません。「ものわかりの悪い人」にならなければならないのです。
ですから、日頃ビジネスの最前線で活躍している、いわゆる「コミュニケーション能力」の高い人は採用面接が苦手なことも多々あります。
「ガクチカ」は採用面接での最頻出質問
どんな質問を選ぶのかも、当然ながら採用面接のスキルのひとつです。特に重要なのは、最初にする質問で、その面接で得ることのできる情報の内容が大きく変わってしまうこともあります。
そして、一般的に最もよく聞かれる最初の質問が「ガクチカ」です。
「ガクチカ」とは「学生時代に力を入れたこと」の略で、日本全国津々浦々の新卒採用面接において、毎年のように繰り返し聞かれる最頻出質問です。
学生自身も必ず用意してきている話題ですし、面接官も「とりあえず」みたいな感じで聞いてしまうのでしょう。
しかしながら、実はそれほど良い質問でもないと私は考えています。