知りたいことが聞ける質問をするべき
ほかにも「継続力」を知りたければ長期にわたる経験を聞かなくてはなりませんし、「やりきる力」を知りたければ苦労して困難を乗り越えた経験を、「発想力」を知りたければアイデアを出して新しいことを考えた経験を、「ストレス耐性」を知りたければ高ストレス場面において何かを行った経験を聞かなければなりません。
このように、採用基準になっている要素があるかどうかを知ることができるエピソードを聞かなければならないのに、相手に話の内容を任せてしまっては、それが出てくるかどうかはわかりません。
つまり、「こういう話はありますか。あれば聞かせてください」と質問するべきなのです。
採用面接は雑談ではない
冒頭で述べたように「ガクチカ」は学生も準備してきているし、自発的にやった好きなことの話はしていて楽しいものですから、採用面接における「埋め草」「アイスブレイク」としての話題としてはよいかもしれません。
しかし、そこで大いに話が盛り上がったとしても、「好きなことを頑張れるのは当たり前」であり、「自社が必要としている特徴がその話で判断できるかはわからない」ので、すみやかに本来の目的通りの情報収集ができる質問に移った方がよいでしょう。
このように採用面接はただの雑談、フリートークではないのです。
最終面接ではレベル感を見る
最後に、ご質問者は最終面接という重要な役割を任されているとのことですので、こちらについても少しだけアドバイスさせていただきます。最終面接では既に候補者は何段階も選抜されているので粒揃いです。
ですので、最終的に評価の差となってくるのは「程度」「レベル感」です。「やるきる力」なら「やりきる力」で「どの程度なのか」ということです。
これを確認するためには、候補者の話をできる限り具体的に聞かねばなりません。数字にできることは数字にする、固有名詞にできるものは固有名詞にするなどです。これは実は簡単なことではありません。
日頃スムーズに周囲とコミュニケーションを取っている人は、相手が具体的に話していなくても自分の想像力や知識、経験で埋め合わせて理解しようとするのですが、面接ではそれは絶対NGです。
つまり、最終面接官は「ものわかりの悪い人」にならなくてはならないのです。自分勝手に想像することなく、きちんと具体的な情報を引き出して、自社にとってベストな人材を選び抜いてください!
グラフィックファシリテーターやまざきゆにこ=イラスト・監修
曽和利光さんとリクルート時代の同期。組織のモヤモヤを描き続けて、ありたい未来を絵筆で支援した数は400超。www.graphic-facilitation.jp
(この記事はOCEANSより転載しています)