・両親のけんかを解決する方法を思いつくなんて、なんと賢い子でしょう
・家族のトラブルを対処できるとは、なんて大人なのでしょう
・両親が犯したのと同じ間違いをしてはいけないことをわかっていますね
これは、よくありがちな「parentification(ペアレンティフィケーション)」と呼ばれる現象だ
Personality Psychologyの最新号に掲載されている研究は、ペアレンティフィケーションとは「子どもと親の役割が逆転するプロセス」であると定義している。親に支援され面倒を見られるのとは反対に、子どもが親の世話役となって支援を提供する現象だ。
ペアレンティフィケーションには2つのタイプがある。
1. 感情的ペアレンティフィケーション。子どもが親のカウンセラーや親友、あるいは感情の世話人になる
2. 実用的ペアレンティフィケーション。子どもが肉体労働に従事し、家事その他、世帯で大人が責任をもつべき仕事を支援する
ペアレンティフィケーションは、片方あるいは両方の親が不在あるいは感情を打ち明けられない、常習行為にふけっているなどの場合に最も多く見られる。「親化」する子どもの多くは、成長が早すぎ、発達期の重要な節目を経験していない。その結果、どうやって遊ぶか、どうやって対立を処理するかの健全な方法を学んでいない可能性がある。
さらに、親化した子どもたちは、非現実的な責任感を抱き、極端な成熟度を示すことがしばしばある。
ペアレンティフィケーションは子どもの肉体的、精神的、情緒的健康に深く永続的な影響を与えることがある。
Journal of Family Psychologyに掲載された研究によると、子ども時代にペアレンティフィケーションを経験した成人は、以下のような感情を報告する可能性が高い。
・家庭生活において不公平に扱われたり、不満をいだいた感覚
・恥ずかしさと罪悪感
・大人との関係における依存行動
・対等な関係の形成と維持が困難
・学業、職業の業績不振
・成人早期の抑うつと不安の高まり
ここでは、立ち直るために始められる3つの行動を紹介する。