ニューヨーク東部地区連邦地裁のアリーン・ロス判事は、ヴァージン・ギャラクティックの株主が起こした集団訴訟での大半の請求を退ける一方で、同社とブランソンが自分たちをだまして不当に高い価格で株式を買わせたとしている点などについては、法廷で立証していくことを認めた。
この件について最初に報じたロイターによると、ヴァージン・ギャラクティックの株価は2021年につけた最高値から9割下落している。
ヴァージン・ギャラクティックは2019年7月、商業宇宙船のテスト飛行で「大きな進展」があったと発表していたが、その5カ月前に同社の宇宙船はテスト飛行で重大な損傷を受けていた。株主はこの発表をめぐって同社を訴えることが可能になった。
株主はまた、ブランソンらを乗せて2021年7月に行われたテスト飛行に関して、連邦航空局(FAA)が予定の飛行経路から逸れていたとしているにもかかわらず、ブランソンは同月の声明のなかで「完璧」だったと述べていた点についても訴訟で争える。
ブランソンはその翌月、保有するヴァージン・ギャラクティック株を当時の価値でおよそ3億100万ドル分売却していた。これについても株主は訴えることができる。
ロイターによると、ヴァージン・ギャラクティックとブランソンの弁護団は、安全性や設計の問題については公表しており、株主をだます意図もいっさいなかったなどとして、訴訟の棄却を求めていた。
集団訴訟では、2019年7月10日からヴァージン・ギャラクティックが商業宇宙旅行の提供延期を発表した2021年10月14日の間、株式を保有していた株主が対象になる。
ブランソンは今年2月、1人45万ドル(約6600万円)の宇宙旅行チケットについて、ヴァージン・ギャラクティックが近く一般向けの予約受付を開始すると発表していた。ブランソンは当時、宇宙旅行の開始予定時期は「年内」としていたが、現在は2023年春が目標とされている。
フォーブスによると、ブランソンの現在の保有資産額は37億ドル(約5400億円)と推定されている。
(forbes.com 原文)