この分野で大きな「成長痛」を経験しているサイトはユーチューブだけではない。
フェイスブック(現「メタ」)は、フェイスブックアプリからインスタグラムまで、同社サイトのコンテンツモデレーション方法について長年、顕著な監視の目を集めてきた。同サイトは毎月20億人近くに影響を与えていることもあり、創業者であるマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はこの話題を巡って何度も厳しい視線を注がれている。
最近では、テスラ創業者イーロン・マスクによるツイッターの買収劇が報道機関の関心を大きく引いた。マスク自身によると、買収の動機の一つはツイッターのコンテンツモデレーション方法や、情報の流れの制御に対する不満によるものとされた。
マスクは同時に、ツイッターの理念や指針との連携を高めるため、コンテンツやアカウント復活の可否を吟味する「コンテンツモデレーション審議会」を作ると発表した。
ツイッターは膨大な医療データやニュースを媒介していることから、これは健康関連の誤情報に関しても重要なことだ。
新型コロナウイルス感染症の流行がピークを迎えていたとき、医師やさまざまな背景を持つ提供者はツイッターを使って前線の様子を映し出した。多くの場合、自身の体験や、新型コロナウイルスや他の病気への対処法に関する助言が共有された。
もちろんこれは、誰を信頼すべきかという問題につながった。ツイッターは月間アクティブユーザーが4億5000万人近くいることを考えるとなおさらだ。
こうしたコンテンツ管理の仕事はどれも楽ではないだろう。こうした問題がそもそも存在する理由は、言論の自由や正しい情報の拡散、公衆安全に関する懸念の間で継続的な課題の存在にある。
こうした企業にとって、これらの間の適切なバランスを見つけることは非常に難しいことが証明されている。ユーザーが自分自身のためにできる最善の行動は結局のところ、認可・訓練を受けた信頼できるかかりつけの医療従事者に全ての問題を相談することだ。
それでも情報の最善な伝え方は、リーダーらが考えるべき特に重要な問題の一つだ。私たちの世界の将来は、実にこの点にかかっている。
(forbes.com 原文)