テスラのエンジニアをツイッターの仕事に従事させたことは、マスクが迅速な変化を求めていることの表れだと見られる。
ツイッターのチームを信頼していない?
匿名の情報筋によると、このエンジニアたちが駆り出されたのは、マスクにツイッターのソースコードを説明するためだという。自動車とSNSのエンジニアにはあまり共通点がないため、腑に落ちない行動に思える。それでもマスクは、両者には十分重なる部分があり、潜んでいる課題やチャンスはテスラのチームでも報告できると自信を見せた。また、今回の対応からは、マスクがツイッターのチームを信頼しきっていないことも読み取れる。
ブルームバーグは、買収手続き完了とほぼ同時にツイッターのソースコードが凍結され、誰もコードベースを変更できない状態だったことも報じた。報道によると、買収が最初に発表された2022年4月にも同様のコード凍結が起きていた。
「コードを見に行け」なんて──
一連のコードレビューに関するニュースが報じられると、ツイッターの社員(現在はマスクの部下)からも多くの意見が上がった。社内の関係者によると、今回の対応を「嫌がらせ」と呼ぶユーザーもおり、このようなレビュー自体がいかに不毛かを馬鹿にするツイートも複数あったという。あるユーザーは「考えてみろよ。途方もなく間抜けな上司が適当に選んだ自動車のエンジニアが、たぶん何百万行もあるコードに数時間で目を通して、『まったく問題ありません』って誤魔化さなきゃいけないんだぜ」と投稿した。
科学者で作家のブルック・マグナンティも、「これが、私たちの世代の尊敬を一身に集めた天才が作った最高のコンピューティングっていうわけ?」とツイートし、さらに「『コードを見に行け』なんて、20世紀のアクション映画でお決まりの『その画像の解像度を上げろ*』の21世紀版にすぎないじゃない」」と続けた。
(*注:『その画像の解像度を上げろ』は推理ドラマなどの決まり文句で、画質の粗い防犯カメラの映像を見ている刑事が「これを拡大して解像度を上げろ」とよく言っていた。ただし、当時も今も既存映像の解像度を上げる技術などないことから、不可能で無意味な指示をからかう意味合いもある)
(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」からの転載記事である。)