ビジネス

2022.11.08

ツイッターの大株主に浮上した「サウジの王子」の投資意欲

アルワリード・ビン・タラル王子 / Getty Images


当初はマスクによる買収に反対


アルワリード王子が投資の約束を守るかどうかは不確実だった。なぜなら、王子は当初、マスクによるツイッター買収を声高に批判しており、4月14日には、「ツイッター株を最も多く、また長期間保有している株主であるキングダム・ホールディングと私は、この買収提案を拒否する」とツイートしたからだ。

これに対しマスクは、「ジャーナリズムにおける言論の自由について、王国はどのように考えているか」という質問を返信した。王子は、5月5日に同じスレッドに「私の新しい友人であるイーロン・マスクとつながることができて素晴らしい」と返信した。

5月13日にマスクが440億ドルでのツイッター買収を保留するとツイートすると、同社の株価は9.7%下落した。この日、アルワリード王子は2000万ドル相当のツイッター株を買ったが、翌日売却して170万ドルの損失を出した。当時、アルワリード王子はマスクの対応を不快に思ったかもしれないが、結果的には良い方向に向かっているようだ。

4月にアルワリード王子がマスクの買収を阻止しようとしていた頃、彼は次のようにツイートしていた。「ツイッターの成長性を考慮すると、イーロン・マスクによるオファー(1株当たり54.20ドル)は同社の本質的価値にはほど遠い額だ」

王子は、その後も考えを変えていない模様で、ツイッターへの投資で大きなリターンを期待していると思われる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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