TikTokのキー入力監視機能をめぐりアップルとグーグルに議員らが圧力

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シャコウスキー議員とビルラキス議員は、現在議会で停滞中の「米国データプライバシー保護法」の推進を図っている。この法律によって、すべてのアプリケーションは、ソフトウェアが機能するために必要な最小限のデータのみを収集することが法的に許可されることになる。

今回の書簡は主にTikTokに焦点を当てたものだったが、議員たちはMeta(メタ)傘下のFacebook、Facebook Messenger(フェイスブックメッセンジャー)、Instagram(インスタグラム)もアプリ内ブラウザを通じてユーザーの行動を追跡していることも指摘した。

TikTok、Apple、Google、Metaはコメント要請に応じていない。

また議員たちは「ユーザーを密かに監視し、機密性の高い個人情報を収集し、その情報を外国の団体と共有する可能性のある」アプリが許可されることに「深刻な懸念」を抱いているとも述べている。書簡には、Apple App Store(アップル・アップストア)とGoogle Play(グーグルプレイ)の両社は、マーケットプレイスでこれらのアプリケーションを許可することによって「厳格なアプリケーションの監視を実施」することに失敗し「アメリカ人を外国の監視、特に中国のような敵対的行為から脆弱にした」と書かれている。

さらに「このような監視を可能にするアプリケーションに目をつぶることで、米国人を危険に晒すことになる。特にTikTokを使用する圧倒的な数の10代は社会的、感情的、発達的な悪影響を受けやすいだろう」と書簡には続いている。

この書簡は、TikTokにとっては、財務省の対米外国投資委員会(CFIUS)と国家安全保障に関する契約を交渉している重要な時期に出されたものだ。この契約は、中国が所有するソーシャルメディアアプリが米国人の個人ユーザーデータを取り扱う方法を規定するものだ。6月には、BuzzFeed News(バスフィードニュース)が、米国のユーザーデータが中国から繰り返しアクセスされていると報じた。TikTokは、米国のユーザー情報の一部を米国内に移し、オラクルが管理するデータセンターで保管する作業を進めている。先月フォーブスは、Bytedanceの中国を拠点とするグループが、TikTokを使って同社と雇用関係にない特定の米国市民を監視する計画を立てていたことも報じている

過去にもTikTokのアプリ内ブラウザは、議会で話題になったことがある。9月に行われた上院の公聴会では、ジェームズ・ランクフォード上院議員がTikTokの最高執行責任者バネッサ・パパスに、キーストロークを監視できるコードについて質問した。このときパパスは、このコードはスパム対策であり、ユーザーが入力した内容を収集しないと答えている。

書簡の最後で議員たちは、AppleとGoogleが、TikTokや中国にデータを転送するアプリを「ユーザーの脆弱性に関する最近の報道を踏まえて」彼らのアプリストアで利用できるようにし続けるかどうかを尋ねている。

小委員会は、AppleとGoogleに対し、11月30日までに書簡への回答を求めている。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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