AppleのCEOであるティム・クックとGoogleのスンダー・ピチャイに送られる前にフォーブスが入手したこの書簡は、AppleとGoogleに対してそれぞれがアプリ市場の門番として、TikTokなどのアプリに対して禁止またはその他の懲罰的措置を取るかどうかを問うものだ。
8月にフォーブスは、研究者フェリックス・クラウスの調査結果に基づき、TikTokがアプリに組み込まれたウェブポータルを通じてキーストロークを監視する可能性があることを初めて報告した。クラウスが発見したのは、TikTokが外部のウェブサイトにコード行を注入することでキーストロークを追跡し、人々がそのページで何をしているかをTikTokに通知できることだった。もしこの追跡機能を使って、データが収集され保存された場合には、TikTokはユーザーのクレジットカード情報やパスワードを取得することが可能になるとクラウスは述べている。コードそのものは、こうしたデータ収集の目的で使用される可能性があるものの、TikTokが実際にそうしていることを示す証拠はない。しかしセキュリティやプライバシーの専門家は、この機能が悪用される可能性を懸念している。
その当時、TikTokはアプリ内のキー入力を追跡できるコードの存在を認めたが、それを使用してはいないと述べていた。TikTokは、同社がユーザーを追跡しているという疑念に対して強く反発しており、当該コードは「デバッグ、トラブルシューティング、パフォーマンスモニタリング」に使用されると主張している。
書簡は、下院消費者保護・商業小委員会の議長であるジャン・シャコウスキー議員ならびに有力議員であるガス・ビルラキス議員の連名で送られた。同小委員会は2021年、ソーシャルメディアと偽情報に関する公聴会を開催し、ピチャイ、Facebook(フェイスブック)の共同創業者マーク・ザッカーバーグ、Twitter(ツイッター)の共同創業者ジャック・ドーシーが証言している。
ジャン・シャコウスキー議員(左)、ガス・ビルラキス議員(右)(Getty Images)
シャコウスキー議員は、フォーブスに対して、TikTokはあまりにも多くの情報を収集し、中国共産党と密接に連携していると指摘した。そして彼女は、中国企業ByteDance(バイトダンス)が所有するこのアプリは現実的な脅威なのだと付け加えた「なにしろ子どもたちがTikTokを頻繁に使っているので、健康とネット上での安全が本当に心配なのです」ビルラキス議員は、先にFCC(米国連邦通信委員会)委員ブレンダン・カーが提案したようなTikTokの全面禁止は強引すぎるかもしれないが、TikTokは「真剣な調査」の対象になるべきであると述べている。「我々は真剣な公聴会を必要としている」と議員は付け加えた。