ビジネス

2022.11.07

引き算のメリット 数を減らせば生産性が上がる理由

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生産性を上げるコツは、従業員の作業や職責を増やすことだと信じているリーダーは多いが、その戦略は再考すべきかもしれない。現実はその逆だ。

リーダーは現在、状況を改善すると考えられている会議やトレーニング、ソフトウエアのアップグレードを増やし続けているが、これにより状況は複雑化している。

従業員はやるべきことを考えるだけで圧倒され、疲弊してしまう。採用者がまだ決まっていない空き職務が埋まるまでの間、自分の仕事以外もカバーしなければならない場合は特にそうで、その結果業務にも影響が出る。

多くの企業では、その逆を実践して物事を絞り込むことが成功を生む。

業務が減ると頭がすっきりし、本当に重要なことに集中する時間が持てるのだ。

これにより革新的な仕事の土台ができ、組織を変容させて従業員がより満足して勤勉に働けるような一見大胆なアイデアについて、失敗したり悩んだり、いろいろと議論や実験を重ねたりする余裕が生まれる。

会計事務所デロイトは2015年の調査で、人事評価の記入や過去の業績評価のための従業員との面談を含め、同社が業績管理に費やしていた時間をまとめた。

このプロセスに年間どれくらいの時間がかかっていたか予想してみてほしい。答えは毎年約200万時間だ。

同社はこのプロセスを合理化し、焦点を過去から未来に向けた。管理職は現在、もはや変えることができないことを議論するよりはるかに生産的な、業績やキャリア目標について話すことに時間を投資している。

問題解決のためには何かを増やすことが自然と選ばれるようだ。ビジネスの課題があれば会議を行い、一度の会議で問題が解決できなければ何度も会議を行う、といった具合だ。こうした経験があるだろうか?

大きなチームを抱える管理職は、少ない従業員を監督する人より多くの報酬を受ける。誇張された役職や、昇進とは言えないような昇進によってさらに肥大が進み、こうしてものが増えていくことで私たちは疲弊する。

ここでは「引き算の法則」を会社に応用し、業績を上げるいくつかの方法を紹介する。

面接

・特定の役割の人材採用において、面接に関係している人を全員、採用プロセスで重要な順に上から書き出す。

・リストの中ほどに線を引く。

・線の下に名前がある人は全員リストから除外し、採用プロセスにはもう関わらなくてよいことを伝える。
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翻訳・編集=出田静

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