画像編集アプリPicsartが「AIイメージジェネレータ」を導入

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世界最大級のクリエイティブプラットフォームとして写真&動画編集ツールを提供する「Picsart」は、同社のアプリに人工知能(AI)技術を統合し、画像とコピーの生成ツールを追加した。この発表は、マイアミに拠点を置く同社のホバナス・アボヤンCEOがリスボンで開催されたWebサミットに出席した際に行われた。

Picsartの「AIイメージジェネレータ」は、オープンソースのStable Diffusionモデルと自社開発の技術を組み合わせて作られている。この技術は現在、Picsartのウェブエディターで利用できるほか、英語圏のiOSでも利用できる。Picsartの月間アクティブユーザー数は1億5000万人以上とされる。

同社のAIイメージジェネレータは、説明テキストを入力すると数秒で画像を生成するが、ユニークな点は、画像を生成した直後に、アプリ内で編集できることで、クリエイティブのワークフローを一段階減らすことが可能だ。また、完成した画像は、Picsartのコミュニティ全体で共有できる。

また、AI Writerというツールを使えば、簡単な操作で、広告を書いたり、マーケティングスローガンを作成したり、ソーシャルメディアの略歴を作成したりできる。AI Writerとライティングツールは現在、Picsartのサブスクリプションなしで提供されている。このツールは、OpenAIのGPT-3をベースにしている。

複雑なデザインソフトの使用経験がない人々にとって、ジェネレーティブAIは最も有望なツールだ。このツールは、デザインのプロの手を借りたり、特別なレッスンを受けなくても、高度なグラフィックの作成を可能にする。

AIを導入しているクリエイティブツールは、Picsartだけではない。アドビは、Adobe Expressに搭載される予定の、ジェネレーティブAIツールを披露し、ストックフォトの「シャッターストック」も、OpenAIの画像生成AI「DALL-E 2」で生成された画像の商用利用を開始すると発表した。

ジェネレーティブアートに関しては、著作権や倫理の問題が指摘されているが、Picsartの広報担当者は、AIが生成したアートにインスピレーションを与えたと思われるアーティストに利益を還元する方法を探っていると述べた。同社は、AIの倫理的な利用についての責任を真摯に受け止め、厳格な基準を定めているという。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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