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ビジネス

2022.11.07 11:45

エアビーが過去最高の四半期決算 それでも株価が下落する理由

Alexandros Michailidis / Shutterstock.com

米民泊大手のエアビーアンドビーが1日発表した2022年7~9月期決算は予想を上回り、売上高・純利益ともに四半期としては過去最高を更新した。背景には、人々が新型コロナウイルス流行前の生活に戻り、夏の旅行需要が大きく伸びたことがある。

売上高は前年同期から29%増え、過去最高の29億ドル(約4300億円)に到達。純利益も前年同期比46%増の12億ドル(約1800億円)と過去最高を更新した。宿泊者数も過去最高の9000万人に達し、宿泊などの予約数は前年同期比25%増の1億件近くとなった。

しかし、米株式市場は今回の決算を好感していない。29%という成長率は、前期の4~6月期に記録した成長率58%の半分だ。デーブ・スティーブンソン最高財務責任者(CFO)は決算発表で、成長率が第4四半期にはさらに鈍り、17~23%になると予想。同社の株価は同日の取引終了後に7%ほど低下した。

業績が堅調であるにもかかわらず、同社株は今年1月から37%も下落している。これはハイテク株中心のナスダック総合指数の30%安を少し下回る程度だが、米主要企業で構成するS&P500種指数の20%安と比べるとかなり悪い。

同社のブライアン・チェスキー最高経営責任者(CEO)は決算発表で前向きな見方を維持。2023年は米国の海外旅行者が増えることにより「欧州で強い需要」が見込まれており、「現在の厳しいマクロ経済環境を踏まえると、われわれが適応を続けられていることにとてもわくわくしている」と述べた。

旅行業界は今年、コロナ流行の発生以降で最高の夏に支えられ、好調が続いている。デルタ、ユナイテッド、アメリカンの米3大航空会社はいずれも、第3四半期の売上高が100億ドル(約1兆5000億円)を突破。経営陣は、堅調な旅行需要は景気後退に関する懸念を払しょくするものだと豪語した。

ダウ・ジョーンズ米航空株指数はここ1カ月で20%高、ホテル指数は12%高となっている。

しかし米旅行業協会(USTA)は先週、米国の旅行業界の回復をめぐる吉凶両方の兆候を報告した。国内旅行支出は2019年比で6%増え、コロナ流行開始後で最高となったものの、ドル高などを背景に、海外から米国への旅行客はコロナ前より34%減った。

forbes.com 原文

編集=遠藤宗生

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