インフルエンザと新型コロナの両方を標的にしたワクチンの臨床試験が開始

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インフルエンザワクチンは、パンデミック下で進展したmRNAテクノロジーの理想的な候補だ。mRNAは、遺伝子物質を導入して体内にウイルスの安全な部分を生成させ、次に将来遭遇するウイルスに対抗するよう訓練されるという仕組みで、他のワクチン技術よりも柔軟で応答が早い。

コロナ・インフル混合ワクチンを開発しているのはファイザーとバイオエヌテックだけではない。パンデミックでの主要なライバルでファイザー、バイオエヌテックと同じタイプのmRNA技術を使用しているModerna(モデルナ)も、独自のmRNAインフルエンザ・ワクチンと同社の新型コロナ追加接種ワクチンとの混合ワクチンを試験している。バイオエヌテックのサヒンは、今回のコロナ・インフルの試験はmRNAワクチンを組み合わせて複数の病原体に対応するための新たな情報をもたらすものであり、将来の同社の製品開発の道筋をつけるだろうと語った。

モデルナは、RSV(呼吸器合胞体ウイルス)、新型コロナおよびインフルエンザを予防する3種混合ワクチンの試験も行っている。3つとも重篤な呼吸器疾患を起こす可能性があり、現在懸念される感染拡大が起きていることから専門家は医療崩壊が起きることを恐れている。乳幼児と高齢者はRSVによる重大疾患に対して特に脆弱であり、全米の小児病院は大量の患者の受け入れにすでに苦闘している。モデルナのCEO、ステファン・バンセルは、新ワクチンは2023年秋までに提供できる可能性があると語った。

29万~65万人。これは世界保健機関が発表している、全世界で毎年季節性インフルエンザで亡くなっている人のおおよその数だ。インフルエンザは300~500万例の重症疾患を引き起こす。CDC(米国疾病予防管理センター)によると、米国では毎年1万2000~5万2000人がインフルエンザで亡くなり、900万~4100万人が発症している。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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