トランプ政権下でなんどか党の方針に逆らったことで知られるマーカウスキーは、民主党候補のほか、トランプが支持する共和党のケリー・ツィバカと議席を争う。他方、ペルトラは、下院補選で破った共和党のサラ・ペイリン元州知事と再び相まみえる。
とはいえ、アラスカ州での超党派の協力は明らかに例外だ。今年の中間選挙もまた、両党間の極端な分極化で特徴づけられる。シカゴ・グローバル評議会が毎年実施している調査によると、共和、民主両党内の穏健派の割合は2022年にはやや増えたものの、依然として少数派にとどまるのが実情だ。
2022年7月時点で、民主党支持者のうち自分を穏健派または保守派と考える人の割合は42%、リベラル派と考える人は58%だった。共和党支持者ではその差がさらに開き、77%が自分を保守派とみなし、穏健派またはリベラル派と考える人はわずか23%だった。全体として、民主党のリベラルの度合いよりも、共和党の保守の度合いのほうがはるかに強いということになる。
民主党の急進派は予備選で脱落
中間選挙の結果も有権者のこうした立場を反映したものになるのかは、じきにわかる。世論調査サイト「ファイブサーティエイト」によると、2020年の大統領選で不正があったと主張している共和党候補の7割は、当選がほぼ確実かその可能性が高いという。たとえばフロリダ州では、新人のアンナ・ポーリナ・ルナが、州知事選に出る民主党のチャーリー・クリスト下院議員がもっていた議席を獲得する見通しになっている。
民主党は全体として議席を減らすと予想されているが、ペンシルベニア州の上院選ではリベラル派の新人ジョン・フェッターマン副知事が、トランプの支持を受ける番組司会者メフメト・オズと激戦を繰り広げている。プログレッシブ(急進左派)の候補は予備選でほとんどが敗退した。そのため、今回の民主党候補の顔ぶれは党内のリベラル層にはあまり好まれないかもしれないが、無党派層や、トランプ陣営に背を向ける共和党穏健派を取り込める可能性がある。
(forbes.com 原文)