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2022.11.06 10:30

中央アフリカで流行中の危険なサル痘変異体が新たな流行を引き起こす可能性

サル痘ウイルスには、今年世界中で約8万人が罹患している。(Getty Images)

致死率が10%にも達する危険なサル痘の亜種が中央アフリカで流行しており、世界的な大流行を引き起こす可能性があると、米国時間11月3日に研究者が警告した。警告はこのウイルスに対処し、その拡大を抑え、新たな大流行を防ぐための真の世界戦略の必要性を強調している。

米国疾病予防管理センター(CDC)、キンシャサ公衆衛生学校、DRC(コンゴ民主共和国)公衆衛生省の研究者が、2013年から2017年の間に研究室で確認された1463例の報告を分析した結果、コンゴ民主共和国の辺境地におけるサル痘の感染は、これまで考えられていたよりもはるかに多いことが判明した。

コンゴ民主共和国での流行は、現時点で世界的な流行を引き起こしているものよりも深刻なサル痘ウイルス株に関連していて、伝染を続けるには感染者が少なすぎたため歴史的には埋もれてきた。

だが最近更新された推定値は、この状況がすぐにでも変わる可能性を示唆している。この報告書を用意したCDCの研究者の1人であるケリー・チャーニガ博士は、伝播が「大規模かつ持続的な地域的大発生を引き起こすことができるポイントに近づいている」と警告している。

また、げっ歯類が保有していると考えられているサル痘ウイルスが、動物からヒトへとより頻繁に伝播していることを示す証拠も発見されたため、ヒトからヒトへと持続的に伝播する機会が増えているという。

研究者らは、この増加は、アフリカのコミュニティにおけるサル痘患者の新たな懸念を引き起こし、ひいては新たな世界的大流行が発生する危険性を高めるという。

サル痘は比較的よく知られた存在だが、2022年に至るまで国際的にはあまり注目されず、世界の多くの国々から無視されてきた。天然痘の原因となるバリオラウイルスの近縁種であるこのウイルスは、数十年前から中央・西アフリカの一部で散発的に発生し、近年はアフリカでの感染者が増加していたが、ナイジェリアでは数十年ぶりに感染が報告された。だが、天然痘の根絶後に天然痘の予防接種が中止されて、世界はサル痘に対して脆弱になったという専門家警告もあったにもかかわらず、サル痘は今年初めに通常は見られない多くの国で出現するまで、ほとんど注目されてこなかった。

世界保健機関(WHO)は、もっぱら性交渉を行う男性間で広がりおそらく性交渉そのものが感染経路となっているこの感染症の流行を受けて、世界保健緊急事態を宣言し、感染を食い止めるための世界的な保健衛生キャンペーンとワクチン接種キャンペーンを開始した。サル痘に対する予防注射治療薬は、昔も今も非常に不足しており、主に米国を中心とした欧米の裕福な国々に流れている。長年サル痘と闘ってきたアフリカのコミュニティは、ほとんどワクチンを入手しておらず、見過ごされ続けている
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翻訳=酒匂寛

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