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2022.11.05 08:00

香港のデジタル銀行のユニコーンが狙うインドネシア市場の魅力


「現状のインドネシアのデジタルウォレットは利子がつかないし、融資を受けることもできない。しかし、若い世代は、現金からデジタル銀行に移行し、より包括的なニーズを満たそうとしている」と、ルーンは話す。

ただし、WeLabは現地の既存のプレーヤーとの激しい競争に直面することになる。GoToの支援を受けるBank Jagoは、昨年2月にインドネシア初のオールデジタル銀行となり、ソフトバンクの支援を受けたAladinは、昨年3月にシャリア(イスラム法)にのっとった金融サービスを手掛ける国営銀行バンク・シャリア・インドネシアのアプリを発表した。

しかし、ルーンはWeLabが彼らに追いつくことができると確信しており、来年にはデジタル銀行アプリを現地で発表する予定という。「バンキングは、勝者総取りの世界ではなく、複数の大手プレイヤーが存在できる業界だ。この市場はまだ発展途上で、香港で融資や資産管理などの様々なプロダクトを立ち上げた当社には、競争力がある」と彼は述べた。

大手銀行に15年間勤務後に起業


香港と中国本土でキャリアを積んできたルーンにとって、東南アジアは新たな領域だ。WeLabを設立する前は、シティバンクとスタンダードチャータードに15年間在籍していた彼は、スタンフォード大学のビジネススクールで経営学の修士号を取得した後、妻のフランシス・カンに出会った。その後、二人はルーンのオーストラリア・シドニー大学商学部の同級生であるケリー・ウォンとともにWeLabを設立した。

WeLabは、香港と中国本土を中心に、オンライン消費者金融プラットフォーム「WeLend」と「WeLab Digital」を運営するフィンテック業界の大手企業だ。昨年4月、WeLabは同年末に最大20億ドルの評価額でIPOを行う方向で交渉中と報じられた。同社はフォーブスに対し、香港とインドネシアのデジタルバンクの構築と拡大に引き続き全面的に取り組む一方、「戦略的な機会を検討している」と述べた。

ルーンは、将来的にタイ、フィリピン、ベトナムへの進出を計画しているが、その時期については明らかにしていない。彼は、香港と中国本土での事業を継続しながら、インドネシアでの経験を積んでいくと述べている。

「我々はインドネシアで多くのことを学び、多くの失敗をすることになるだろう。しかし、次はどうすればもっと賢くやれるかを意識し、同じ失敗は繰り返さない」とルーンは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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