「鍋にしたいとき」の順位は男女ともほぼ同じなのだが、全体的に女性のほうが回答数が多い(複数回答)。男女で差が目立つのは「手軽に調理を済ませたいとき」だ。男性は低く女性が高い。つまり、食事の支度をするのは女性のほうが多いことを示唆している。逆に、男性で比較的高い割りに女性で低かったのは「鍋に合う食材を手に入れたとき」だ。故郷から届いた段ボール箱を開いて、「おお、今日は鍋だな!」と女房の都合も考えずに勝手なことを言う亭主の図が透けて見えるそうな。
面白いのは「鍋あるある」の調査結果だ。鍋をするときによく感じることのトップは「テーブルの上が狭くなる」というもの。2位はそれに準ずるが「鍋の蓋やおたまの置き場所に困る」というもの。「半端な量が残る」とか「締めをうどんにするか雑炊にするか迷う」なんていう上位の回答には笑えるほど共感できる。
また、よく使うタレや薬味は、年代を問わずポン酢が断トツで1位だった。自由回答で鍋に関する工夫を尋ねると、味噌味の鍋に牛乳を入れると子どもがよく食べるとか、キムチ鍋の後はリゾットにするとか、途中でシチューやカレールウを入れて味変するといった意見が見られる。意外と言うより、「ウチもやってる!」と共感する人のほうば多いかも。
この調査全体を通して感じるのも、意外性よりも「やっぱりね」という共感と安心感だろう。ああ、よそのご家庭も、寒い日に狭いテーブルを囲んで、おたまをどこに置こうか迷いながらポン酢で鍋を食べ、最後はうどんかご飯かで悩んでいるんだなと思うと、なんだかホッとする。