2022年には、イェール大学が発表するEPI(環境パフォーマンス指数)ランキングで1位に選ばれた。
日本は全体で25位と健闘したものの、農業は95位、リサイクルは135位と、カテゴリ別に見るとまだまだ課題が残っている。
今回はデンマークのオーガニック事情と日本の現状をまとめていく。
そもそも「オーガニック」は何がいいのか
そもそも「オーガニック」は日本語にすると「有機」という訳になり、農薬や化学肥料に頼らない、太陽・水・土地といった自然の恵みを活かした生産・加工方法をさす。
日本で農産物や畜産物、その加工食品が「有機」「オーガニック」などの名称を表記する場合は、農林水産省が設けている基準をクリアし、有機JAS認証を受ける必要がある。
化学物質の使用を減らすことで、生産者が農薬中毒になるのを防げるだけでなく、自然環境の保全にもつながるのだ。
世界一のオーガニック市場
2019年、デンマークは1人当たりの年間オーガニック商品消費額が世界で最も高く、約4万1280円だった。
2020年には、デンマーク人が購入する食品の12.8%がオーガニック製品になっており、これは世界のどの国よりも高いオーガニック市場シェアである。
オーガニック食品の売上は年々増え続け、国民の4人に3人が毎週のようにオーガニック食品を購入している。
オーガニックが人気の理由
デンマークでオーガニックが普及している理由として、国民の環境意識が高いことが挙げられる。
気候への意識から自転車の利用が盛んで、人口当たりの自転車保有率が世界3位の自転車大国でもある。
電車やバスの中に自転車を持ち込むことができ、専用の橋や信号機があるそうだ。
多くの人がオーガニック食材を選ぶようになったことで、格安スーパーでも気軽に手に入るようになっている。
コロナ禍でも需要が増加
2020年、コロナウイルスが拡大した年のデンマークにおけるオーガニック製品の売上は14%増加した。
需要が高まった要因として、コロナウイルスの重症化に生活習慣病の影響が指摘されていることから、食生活を見直す人が増えたのではないかと考えられる。
2021年も売上は2020年と同様の数値で安定し、年間で160億デンマーククローネ(約3133億円)の売上を記録した。