戦場の兵士を守る「軍用ウェアラブルデバイス」の最前線

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エネルギー兵器から身を守る


米軍はさらに、ヒューストンのライス大学を中心に280万ドル(約4億1200万円)を提供し、脳内のリンパ系の流れを刺激して兵士の睡眠を改善するキャップなどの先端テクノロジーの研究も行っている。

このプロジェクトの責任者のライス大学のイノベーション担当副学長であるポール・チェルクリは、130万ドルをかけた未来型のヘルメットの開発も行っている。映画「アイアンマン」に登場するようなこのヘルメットは、AI(人工知能)が攻撃を事前に察知し、兵士を積極的に防御する。

また、将来的には爆風による外傷性の脳損傷を防止したり、ハバナシンドロームの背後にあるとされる指向性エネルギー兵器に対する電磁シールドを構築することを目指している。

しかし、これらのウェアラブル・プログラムは、その技術が実際に機能することを証明する前に、資金の枯渇に直面してしまうかもしれない。米陸軍医療資材開発部のハーナーは、国防総省が外部の民間企業と協力し、他の収入源を確保することが重要だと述べている。

レギオナリウスの創業者のグルエンツィグは、警察や救急隊などにこのスマートシャツを売り込もうとしており、すでにいくつかの州警察のSWATチームが興味を示しているという。彼らは、傷口の周囲で膨らんで圧迫し、出血を止めるためのツールをスマートシャツに追加することにも取り組んでいる。

「このシャツが、実際に現場で活用されるようになるのが楽しみだ」と、グルエンツィグは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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