しかしNASAが公開した最新画像の数々は、ほとんどの人たちにとって今も驚くほど美しい写真のままだが、科学的には塵に覆われた創造の柱の中で誕生しようとしている星々のクローズアップ写真だ。プロの天文学者にとって、これらの画像は、後世にわたり深く研究すべき計り知れない科学データの宝庫となっている。
何千もの恒星からなるこの創造の柱は、実際に冷たい気体からなる3つの巨大な柱であり、若い巨大な星団が発する焼けるような紫外線の中に浸かっているとNASAは述べている。6500光年の彼方、わし星雲M16の小さな領域では、気体と塵にまみれた3本の柱が、何千年にわたってゆっくりと作られていく星たちを覆い隠している。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の中赤外線機器(MIRI)が撮影した最新画像では、新たに生まれた星の多くが消えたように見えるとNASAは説明する。それは、すでにそれらの新しい星の多くが、中赤外線分光器で検出するために十分な塵に覆われていないためだ。
それは、巨大な恒星たちが、塵と気体からなる自分の生まれた環境を、自らが発する極紫外線放射と強力な恒星風によって吹き飛ばしてしまうからだ。
柱の指のような形状は、気体と塵の膨張する泡によって作られ、電離放射線が起こした蒸発によって彫刻された。柱の上方に位置する中心星団からの恒星風と荷電粒子の集中砲火もこの領域を破壊するとNASAはいう。
天文学者たちは、最近の数十年で星の形成について多くのことを学んできたが、私たちの太陽がその1つであるG型主系列星のような低質量星の誕生を促進するメカニズムについては、まだ完全には理解できていない。
しかしウェッブのようなより強力な望遠鏡によって、理論学者たちはこれらのプロセスの理解を深めるだろう。わし星雲は数千光年の彼方にあり、これまでその形成の詳細は、わずか1300光年にあり地球に最も近く最も研究された星形成領域であるオリオン星雲と比べて解明は難しい。
最も明るく最も巨大な星たちが短命であり、わずか数百万年の寿命であることを天文学者は知っているが、宇宙に存在するほとんどの星は、低質量の赤色矮星であると考えられている。それらのM型主系列星は、水素燃焼型主系列星としての命を何百億年も続けることができる。
研究者の間で期待されているのは、ウェッブが生み出すデータによって、研究者がわし星雲のこの象徴的領域の中にある塵の成り立ちと動態の理解を深めることだ。
時間とともに、星たちが数百万年をかけて、この塵まみれの雲の中でどうやって形成され飛び出したのかを、より明快に理解できるようになるだろうと欧州宇宙機関(ESA)は伝えている。
超新星は大質量星からしか生まれないため、私たちの太陽は、魅力的だが凶暴な、おそらく創造の柱によく似た星雲の一部として生まれた可能性が最も高い。
NASAのウェッブは、私たちの太陽が46億年前にそこから生まれたに違いない混沌を写した極上のスナップショットを人類に与えてくれたのである。
(forbes.com 原文)