「この会場に居るあなた方が専門的知見を持つテクノロジー分野は、ロシアがウクライナに仕掛けた戦争の一部になっています」と、彼女は語りかけた。
ここで重要なのは、ゼレンスカ夫人がテック業界に武器を送るよう頼んでいるのではなく、人道的支援や教育支援、医療支援など、人命を救うためのテクノロジーへの協力を求めていることだ。
「私は、テクノロジーは破壊するために使われるのではなく、創造し、人々を救い、助けるために使われるべきだと信じている。そのようなテクノロジーこそが未来です」と、彼女は付け加えた。
ゼレンスカ夫人が今年のウェブサミットに参加することは、警備上の理由から事前に発表されなかった。
彼女の夫のゼレンスキー大統領は、ウクライナの軍事力強化を世界に呼びかけることが多いが、彼女が求めているものは、それとは少し異なる。ゼレンスカ夫人は、人々の精神的な支援だけでなく、ウクライナの復興と市民のニーズに応えるためのテクノロジーの支援を要請した。
「テクノロジー業界で働くあなた方は、世界を動かせるのです。あなた方は、破壊するのではなく、人々を助けるためのテクノロジーを持っていて、ウクライナを支援することで、世界を正しい方向に向かわせることが可能です。だから、ぜひそうしてください」と彼女は呼びかけた。
ゼレンスカ夫人は、ロシアの無人機やミサイルが国のインフラを攻撃し、市民を殺害するなど、テクノロジーが破壊のために利用されていることを強調した。
ロシアの攻撃により、ウクライナの全エネルギーインフラの40%が損害を受けたと報じられている。10月31日時点の報告によると、キエフの住民の80%は水道が使えず、35万戸のアパートが停電しているという。
(forbes.com 原文)