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2022.11.03 12:30

スマホ利用者の57%が「検索結果をクリックしない」というデータ

Getty Images

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モバイルのグーグル検索のユーザーの57%が、検索結果に表示されるサイトをクリックしていないことが、マーケティング企業Semrushの調査結果で示唆された。さらに、リスティング広告をクリックするモバイルユーザーは、わずか0.02%で、これはグーグルにとって憂慮すべきことと言えそうだ。

グーグルは、検索結果画面にサイトのリンクを表示するだけでなく、関連する情報が含まれている可能性が高いサイトを強調表示する「強調スニペット」や、特定の事柄についての情報をまとめた「ナレッジグラフ」といった機能を盛り込んでいる。その結果、検索結果に表示された内容だけで満足し、サイトをクリックしない「ゼロクリックサーチ」と呼ばれる行動が増えている。

Semrushは、2万人のユニークユーザーから匿名のサンプルを採取して約60万件の検索アクションを分析し、「ゼロクリック・スタディ」というレポートにまとめ、デスクトップとモバイルのトラフィックの違いを明らかにした。

デスクトップでは、30%以上のユーザーが2回以上の検索を行っていたが、25%は検索結果ページのサイトをクリックしなかったという。

デスクトップユーザーの45%は、メイン検索後の10秒以内に二次的な検索を行うが、この数字は、モバイルでは33%に下がっている。これは、デスクトップユーザーがモバイルユーザーよりも検索で二次的なページを訪問する可能性が高いためだ。また、モバイルユーザーの場合は、最初の検索に続いて、そのトピックに関連する動画を検索する可能性が高いことも分かっている。

Semrushによると、デスクトップとモバイルのユーザーの行動に差があるのは、構造的な違いによるものという。例えば、モバイルのユーザーは、デスクトップよりも簡単に検索結果をスクロールすることが可能で、検索結果のトップに表示される「アンサーボックス(クエリに対する回答)」や強調スニペットをあまり参考にしない。

一方で、デスクトップから検索したユーザーは、上記の2つの機能などを利用して、サイト自体をクリックせずに目的を果たしている場合が多い。

しかし、コンテンツ制作者にとって、最悪のシナリオは、ユーザーがウェブサイトを訪問せずにグーグルの検索結果ページで答えを見つけてしまうことと言えるだろう。

また、若い世代は、グーグルの検索を利用せず、TikTokなどのSNSアプリを利用する場合が増えている。7月に開催されたフォーチュンのBrainstorm Techカンファレンスに登壇したグーグルの検索部門のプラバカ・ラグハヴァンは、「当社の調査では若者のほぼ40%が、レストランを探すときに、グーグルマップや検索を利用していない」と語った。彼らはその代わりに、TikTokやインスタグラムを利用しているのだという。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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