フォーカスを高めるために
フォーカスを高めるために、クレンショーは、注意をそらす要素を極力排除するよう勧める。まずは五感から始めよう。会話を始める前に、目を引くもの(とくに言葉が書かれたもの)や、音やにおいのするものを片付ける。触覚に関しては、エルゴノミクス(人間工学)デザインの椅子の導入を検討しよう。味覚については、用意する軽食に気を配ることが重要だ(たとえば、食べたり手に取ることに注意が必要な食べ物は避けよう)。
また、注意散漫につながる精神面での要素を排除することも、同じくらい重要だ。「精神が生産性に与える影響は極めて大きい。クリアな頭で物事に取り組んでほしい。未解決のタスクを、頭のなかに残しておくべきではない」と、彼は言う。
そのためにクレンショーが提案する方法は、会話を始める前に、他の重要なタスクを、メモアプリやカレンダーに入力しておくというものだ。これにより、他のタスクが整理され対処できていると脳が認識するため、会話の最中に他のタスクが気がかりになってしまうリスクを抑えることができる。
クレンショーによれば、1日の予定に休憩を組み込むことも、よい方法だ。「60秒間、呼吸の他には何もしない」ということだけでもいい。
「私たちのスケジュールの問題は、カミソリの刃が入り込む隙間もないことだ。ひとつの仕事の直後に、次や、その次が控えている。こんなふうに狭く危険な道を歩きつづけることを強いられると、私たちの脳は、しばしばつまずいてしまう」
最後に、クレンショーはこうしたテクニックを、まずは家族や友人との会話のなかで試してほしいと述べた。親しい人たちにもっと注意を払う習慣が身につけば、仕事への応用は容易だからだ。
「(テクノロジーは)急速に進化したが、私たち人間はそうはいかない。だからこそ、新しいサバイバルスキルを身につける必要がある」
(forbes.com 原文)