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2022.11.03 14:30

リーダーは呼吸を整えて「脳の活動」にメリハリを

Getty Images


また、脳科学者は脳波が「伝染する」ことを発見している。もし、この高い周波数の脳波を「発信」しているリーダーとチームが同じ部屋にいたら、ほんの数分後にはチームの脳波もリーダーの脳波の周波数に似通ってくるかもしれない。つまり、あなたの高い周波数の脳波が、部屋中の人を「スピードアップ」させる可能性があるのだ!
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動きが速いときには、ベータ波が出ている。心拍数が上がり、パニック寸前の緊迫感を感じることも多い。これは多忙なリーダーにとっては必要な状態かもしれないが、同時にそれはストレスホルモンを活性化させてしまうことを理解しておく必要がある。このため、いつその状態に入り、いつどのようにその状態から離れるかを意識しておかなければならない。

2つ目の脳波であるアルファ波は、心身ともにくつろいだときに出現する。1秒間に7〜13パルスの周波数で、ゆったりとしている。アルファ波は、シャワーを浴びるとき、気軽な会話をするとき、トイレに行くとき、散歩に行くときなど、ルーチン的な作業をするときに出現する。

気持ちがゆったりしていると、新しい情報を学んだり、難しい仕事をこなしたり、複雑な状況を分析したりして、新しいアイデアや直感を得ることができる。激しいやり取りから一息ついて「あっ!」と気付くことが多いのはこれが理由だ。
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ゆっくりと鼻から息を吸い、口から吐き出すことで、意図的にアルファ波を生み出すことができる。ベータからアルファに切り替え心をスローにすると、ベータエンドルフィン、ノルエピネフリン、ドーパミンのレベルが大幅に上昇し、精神的な明晰さや直感が増すという感覚に結びつく。また、ユーモアのセンスも高まり、より気楽な気持ちで過ごすことができるようになる。そして確かに、より存在感が増すのだ。

スローダウンするための5分間練習


私はエグゼクティブの方々と仕事をするときには、意図的にアルファ波の周波数に脳波を落とすことを学ぶよう勧めている。5分間だけ、鼻から吸って口から吐くという呼吸に集中するのだ。心が迷うたびに、呼吸に集中してみよう。このように、必要ならばアルファ波を生み出せるように心を訓練しているリーダーもいる。これは、重要な会議中に、目の前の会話に全神経を集中させなければならないときに重宝する。

継続的な運動で体力がつくように、5分間のスローダウンの練習でも身につくようになる。アルファ脳波がもたらすすばらしい効果を手にするためには、自律的で継続的な練習が必要なのだ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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