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2022.11.03 14:30

リーダーは呼吸を整えて「脳の活動」にメリハリを

Getty Images

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リーダーには、やることがたくさんある。1日は長く、仕事の手を休めることもできない。結局、いつも時間に追われ続けている。だから、残業をして長時間働き、土曜日の朝や日曜日の夕方にも足りない分を補うように働くのだ。どうすれば良いかはご存知だろう。速く動けば良い。

しかし人間には一定の存在感が必要だ。実際のオフィスにいるときも、Zoom(ズーム)やTeams(ティームズ)のバーチャルルームにいるときも、ゆっくりと立ち寄ることができなければならない。このためには「速く行くために遅く行く」型の筋肉が必要だと私は考えている。目の前にいない人の立ち位置を、他の人達は敏感に感じ取る。目の前にいないことで、他の人たちに、自分にはもっと重要なことがあるとにかく忙しい、あなた達は重要ではないというメッセージを伝えてしまうのだ。もちろん、こんなことを伝えたいとは思っていない筈だ。

リーダーシップには「速く動くこと」と「遅く動くこと」の両方が必要なのだ。どちらをいつ使うか、それを見極めるのがリーダーの技量だ。スピードアップとスローダウンを自在に切り替えられるのがスキルなのだ。

幸いなことに、神経科学が私たちの味方だ。高度なテクノロジーのおかげで、私たちは人間の脳についてかつてないほど多くのことを知ることができるようになった。また、スマートウォッチなどのデバイスを使うことで、心拍数だけでなく、脳波の活動も手軽に測定できるようになってきた。脳波の周期と、行動の速さや遅さとの相関関係をもっと理解すれば、私たちはより自由に日々を過ごすことができるようになるだろう。実際のところ、脳や心臓の「スピード」を意図的に上げたり下げたりすることができる。

2種類の脳波:ベータ波とアルファ波


人間の脳は、電流のような脳波で動いている。今回の記事では、仕事に関わる脳波のうち、ベータ波とアルファ波の2つだけを取り上げる。

最も周波数が高く、最初に出るのがベータ波で、意識的に警戒しているときだけでなく、緊張していると感じるときにも出てくる。ベータ波の周波数は、ヘルツ単位で1秒間に13~60となる。高い周波数のベータ波は、高速で移動し、カフェインを大量に摂取し、大量の仕事をこなしているときに出現する。私たちが知るほとんどのリーダーは、ほとんどの時間ベータ波の中にいることが知られている。
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翻訳=酒匂寛

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