派手な人生体験が持つ「偽りの魅力」に振り回されず生きていく方法

日常の中で驚きを見つけるにはどうすればよいか? 心理学研究が答えを出す(Getty Images)


2. 今の生活のどの部分にいちばん感謝しているか? 感謝の気持ちは充足感をテストする効果的なリトマス試験紙だ。自分にとって何が大切なのかを見つけられるだけでなく、人生の中で軽視しているかもしれない部わから充足感を得ることにもつながる可能性がある。

2. 意味を探究する


ピーク体験を求める気持ちは、日常的で重要ではないように見える数多くの体験、たとえば他人の役に立ったり、助けたりするような行動を拒否させる力になりかねない。誰に対しても、どんなことでもするというのは直感に反するように思える、なぜならピーク体験の追求は誰のためでもなく自分のためだからだ。

しかしながら、研究結果はその反対を示唆している。人間は直接自分の利益にならないたとえば親であること、慈善活動、ボランティア、献血、友人の引っ越しの手伝い、などの体験から計り知れない意味を引き出すことができる。それらの体験はすべて、あなた個人の負担になるかもしれないが、最終的にはあなたに目的意識をもたらす。

だから、次に人生がありきたりでおもしろくないと感じた時は、自分の1日を良くすることではなく、ほかの誰かの1日を良くすることに集中してみよう。

3. スピリチュアリティを追求する


「ピーク体験」の前後に人生がつまらなく思える理由の1つは、人間の欲望には限りがないからだ。一度並外れて刺激的なことや満足感の高いことを体験すると、それが自分の「新常態」になる。

長続きしないことは「ピーク体験」の致命的な欠陥だ。研究によると、ピーク体験によるドーパミン急騰の解毒剤の1つは、自分の人生の長続きする至福の感覚を、スピリチュアリティを通じて育むことだ。

スピリチュアルの旅をスタートする方法を2つ挙げる。

1. 瞑想の習慣をつける。これは幸福と前向きな気持を、外向きではなく内向きに探すための鍵となる方法だ。瞑想の数多い利点の中に、真の幸福を増やし、快楽を追求する行動を減らすことがある。マインドフルネスであれ、親愛であれ、あるいは単なる「オーム(Om)」チャンティングであれ、日々の行動に瞑想の実践を組み込むことには計り知れない利益がある。

2. 幻覚剤の使用を考える。シロシビンやアヤワスカなどの幻覚剤は、スピリチュアルの旅の強力な開始剤になる。もしあなたが自分の幻覚体験について慎重かつ意識を持っている(医療専門家に相談している、など)のなら、それはあなたの人生で最も意味があり、スピリチュアルで充実した体験になるかもしれない。

訳注:日本では、シロシビンは麻薬および向精神薬取締法により規制されている。アヤワスカは成分であるDMTは麻薬および向精神薬取締法において規制されているが植物としては規制対象ではない。】

結論


ピーク体験は興味深い話を生み出すが、意図と好奇心をもって生きていくこと興味深い生活を生み出す。人生がもたらすものすべてを、身も心も開いて歓迎することは、ピーク体験よりはるかに多くの利益をもたらすだろう。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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