また、新小一生を持つ親の「小1プロブレム」は、「これまでお金さえ払えば早朝から深夜まで預かってもらえていた(むろん、各行政地区や、施設ごとの条件には依拠する)」保育園、子ども園から、急に5時間授業で「放課後」に切り替わる、恐怖の春のことだ。仕事終わりの夜までを、私立の学童保育や習い事などで「つなぐ」必要がとつぜん、生じるのである。
大いなる小1プロブレム「ラン活」
そしてもうひとつ、新小学生候補のいる家庭の頭を痛ませるのが「ラン活」。早いブランドでは入学前前年の今ごろにはもう、2024年入学生のためのランドセルの予約が始まり、ぼやぼやしていると人気の色や材質は売り切れてしまう、といったランドセル争奪戦が始まる。戦いは年を追って加熱しているともいう。
価格も平均5万円超えという、さながらビジネスパーソンの仕事カバンかそれ以上の高額。祖母祖父のサイフの登場という家庭もすべてではないだろうから、若い夫婦の家計を直撃することもあるだろう。
海外に目を移せば、たとえばフランスでは、小学生の通学用にはカルターブル(Cartable)といわれるリュックサックが使われているという。デザインや素材もいろいろで、キャラクターつきのものもあるという。こちらは軽そうだし、安価にも見える。
フランスの小学生 Photo taken in Saint-Sulpice-Les-Feuilles, France(Getty Images)
そんななか、アウトドアのモンベルが、富山県立山町と小学生向けの通学用バックパックを共同で開発した。2023年度以降に立山町内の公立小学校に入学する児童全員に立山町からプレゼントされるという。
パソコンやタブレットも収納、アウトドア仕様の耐久性?
そしてこのバックパック、『わんパック』という商品名、3色展開の予定で、全国で販売されることにもなった。
『わんパック』は3色展開
『わんパック』は教育のデジタル化にともなって児童たちに貸与されるようになったパソコンやタブレットなどの収納についても考えられた設計。なによりも、おなじみの皮革製ランドセルに比べて格段に軽量で耐水性もあり、また、アウトドア製品の雄が製造しただけあって、6年間使える耐久性もある。