日本も含めて全世界のメディアやファンがこれほど興奮する新車はなかなかない。新型タイプRは6代目だけど、今まで最も優れていて最も格好良いタイプRだと海外メディアが言っている。僕も同感。さて、今回、新タイプRの走りはどうなのか、九州のオートポリス国際サーキットで試してきた。
タイプRのローンチのタイミングはきわどい。というのは、欧米のメディアは、トヨタのGRカローラとゴルフRに試乗したばかりだ。だから、記憶に新しいのでタイプRと比較ができる。そして、話によると、来週ぐらいに、ホンダはタイプRでついにドイツ・ニュルブルグリンクで「FF世界最速」記録に挑戦するらしいので、ワールドレコードが取り戻せる!とホンダは信じきっている。これで、世界のエンスーを魅了するだろう。幸運を祈る! さて、その新タイプRのデザインはどうなのか?
欧米での呼称だと「BOY RACER」(若者の走り屋)的なエッジーなスタイリングから一新して、忙しすぎるシャープなフロント、よりクールで大人っぽいスポーツカーに生まれ変わっているその姿に対して、特にアメリカでの評判が良い。迫力を感じる部分は全体的なフォルムだけど、やはり、リアの3本の太いエキゾーストとディフューザーが格好いい。正直なところ、リアウィングが低くなって良かったと思っているけど、ボンネットスクープ(エンジンに空気を取り込むために盛り上がった構造の吸気口)が消えたことは寂しい。
唯一残るのは、熱風を逃すエアヴェントしかない。雰囲気として、筋肉質のジャン・クロード・ヴァンダムから、よりスレンダーなジェイソン・ステイサムに変身したような感じで、よりクールで格好いいクルマになった。価格も上がって、国内で499万円になり、アメリカでは$42,895になったことに悲鳴が上がったけど、それだけの価値はあると思う。
内装は派手だけど、より上品になった。赤と黒と銀色のハイコントラストな内装色と、汗を吸収するアルカンターラ巻きのステアリングホイールが目を引くインテリアに代わっている。ダッシュボードの装飾パネルには、反射を抑える偏光ガンメタリック塗装を用いている。ギアノブは小さくて手で握った時の感触とシフトフィールは素晴らしい。やはり、24年前のホンダS2000は世界一の気持ちの良い6速M/Tを持っていたと回想。けれど、今回のタイプRの6速M/Tもショートストロークでカチッと正確に変速ができるので、ドライバーが安心して速く走れる。