炭素捕捉設備が5割近く増 それでも気候変動対策には不十分

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ウィルコックスによると、セメント産業には二酸化炭素の削減が難しい排出源が2つあるが、この分野では除去よりも捕捉の方が効果的だ。

ウィルコックスは「セメント製造では、石灰岩をか焼する化学反応の組み合わせにより二酸化炭素が生まれる。これはプロセス排出量と呼ばれている。しかしこれは燃料排出量と組み合わせられるため、セメント工場に炭素捕捉のシステムを組み込んだ場合はプロセス排出量だけでなく燃焼排出量も大きく削減できる」と説明した。

彼女は、炭素捕捉と除去を異なるものと考えている。ウィルコックスによると、炭素除去は農業や航空、配送、長距離トラック輸送など「脱炭素化が本当に難しいセクター」の排出量相殺のため取っておくべきだ。

ウィルコックスは「米国の長期的な気候戦略からは、実質排出量ゼロを達成するにはこの2つがどちらも必要であることが示されている」と指摘した。また、ダニエルによるとこの2つはどちらも開発の速度が十分ではなく、「CCSへの投資を含め、排出量を減らす世界的な取り組みが今も大きく欠けている」と述べた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=出田静

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