「信じてくれるリーダー」は、上記のどんなときでも信じてくれている。ただ、それは、私の意見や提案、あるいはミスを無条件で信じているわけではない。むしろ意見や提案には反対されることもある。
そうではなくて、私の考え方や反対意見の存在、その問題に立ち向かう姿勢、私自身の存在価値を信じてくれているのである。
だから何かトラブルが起きたときにも頭ごなしに否定することはない。「なんでできないんだよ!」という気持ちがそこにはない。トラブルを起こしたくて起こしたわけでもないし、間違った提案をしたくてしたわけではない。共によいものを作っていこうという根幹の部分に信頼があるのである。リーダーが信じてくれているかどうかは、メンバーは繊細に感じることができるものである。
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個の時代は、一人一人の価値観や考え方や大切な時代である。だからこそ「信じるリーダーシップ」がより重要になってくる。在宅勤務が増えたらさぼっているんじゃないかと疑われるより、完全性善説で信じてもらったほうがより頑張れるのではないだろうか。もちろんそれには元より「信じられる人」を採用するのが重要であるが。
性悪説よりの組織に長年いた人ばかりのチームでも、リーダーがまず「信じ続ければ」どこかで必ず好転する時が来る。平常時だけではなく、混乱時にも、常に「信じ」「信じられる」というポジティブなサイクルを組織の中に生み出すのもリーダーの役割である。