86%再生ガラスを使用している「テルモン」のボトル。
「さあ、ボトルは改良できました。では次は? パッケージです。もともと高級品であるシャンパーニュは美しい箱に入れ、リボンや包装紙で飾り立てて販売されることも多いアイテムです。でも私たち『テルモン』の考えは『The best package is no package.』。そう、ボトルをこのままお渡しします。
美しい箱に入れても、その箱を眺めるのは20秒くらいでしょう(笑)? ギフトボックスを割愛することで、1本あたりのカーボンフットプリントは8%も削減できるんですよ。
さらにインフラと物流について。メゾンではすべて再生可能エネルギーを使用しており、私たちスタッフの移動もすべてEV車を使用しています。そして、これは非常にユニークな試みなので、ぜひ大きく書いていただきたいのですが、『テルモン』のシャンパーニュは一切空輸していません。すべて陸送か、船によるシッピングです。
昨年、とあるNYの富豪が『91年ヴィンテージのシャンパーニュを10ケース、クリスマスまでに送ってもらえるかな』とオーダーしてくれたのです。とてもありがたいお話でしたが、お受けしませんでした。なぜなら、オーダーいただいたのが12月1日だったから。船便で送ったら4月になっちゃいますからね。たとえビジネスチャンスをふいにしてもサステナブルであり続ける、これが『テルモン』の基本姿勢なのです」
「テルモン」のエチケットには製造にかかわるさまざまなデータが記載されている。
「最後に“トランスペアランシー=透明性”についてもお話しておきましょう。『テルモン』のシャンパーニュはすべての情報をこのエチケット(ラベル)上で開示しています。たとえばブドウのアッサンブラ―ジュ(ブレンド)、ドザ―ジュ(糖分添加の度合)、デゴルジュマン(澱引き)の時期などの製造データを1本ごとのナンバリングとともに記載するばかりではなく、CO2排出などで掲げたゴールへの達成率も逐次発表していきます。
しばしば『202X年までに~~を達成する』と掲げるブランドやメゾンはありますが、ゴールの結果検証は誰が行っているのでしょう? 誰もしていませんよね。『テルモン』は自らが掲げた計画をきちんと検証し、その結果をレポートするトランスペアラントなメゾンです」