地球最古の岩石を分析した最新研究は、地殻が少なくとも32億5000万年前には現代のプレートテクトニクスと同様の仕組みで押したり引いたりしていたことを示している。またこの研究は、この惑星の磁極がいつ南北の位置を入れ替えたかの最古の証拠も提供している。
2つの研究結果は、そのような地質学的変化が、地球の環境を生命の進化により適したものにした可能性についてもヒントを与えている。
ハーバード大学の地質学者であるアレック・ブレナーとロジャー・フーが率いたその研究は、西オーストラリアのピルバラクラトン(ピルバラ地塊)のある部分に焦点を当てた。そこは地球の地殻の最古かつ最も安定した部分の1つだ。最新の技法と機器を用いて、研究チームは古代岩石に保存されている磁気の痕跡を調べ、地球最古の地表の一部が、1年6.1センチメートルずつ、100万年に0.55度ずつの速度と方向で動いていたことを示した。
この地殻移動の速度および方向は、プレートテクトニクスが最も論理的で強力な説明であることを裏づけている。
論文の中で、研究チームは地球磁場の完全な反転が起きた最古の証拠であると信じられるものについても記載している。この種の急激な変化は、地球の最近の地質史の中で頻繁に起きており、磁極は過去8300万年の間に183回反転し、おそらく過去1億6000万年の間には数百回反転したとNASAは述べている。
同研究は、地磁気はすでに32億年前から安定していて、大気に太陽風が侵入するのを防ぐほど強力だったと主張している。この洞察をプレート・テクトニクスに関する研究結果と合わせることで、最古の生命が出現した環境に関する手掛かりが得られる。
「これは、初期の地球がすでに磁気活動的に成熟していたことを説明しています」とブレナーは言った。「そこでは、地球をより安定した環境と表面状態を持ち、生命の出現と進化により適した場所にした同じような力学過程が数多く起きていました」
論文「Plate motion and a dipolar geomagnetic field at 3.25 Ga」(32億5000万年前のプレート運動および双極地球磁場)はProceedings of the National Academy of Sciences (2022)に掲載された。資料はハーバード大学から提供された。
(forbes.com 原文)