修理やささやかなアップデートを行っても、老朽化した戦車はあまりうまく機能しなかった。特に、ウクライナ軍が8月下旬に反攻を開始したウクライナ南部のヘルソン州では、4人乗りのT-62の乗員が戦いを挑む代わりに戦車を放棄する傾向が顕著だ。
ウクライナ軍は、自軍でT-62大隊を編成することができるほどロシア軍からT-62を奪取した。実際に編成するかはわからないが、スロベニア当局がウクライナ側にアップグレードされたとはいえT-62よりもさらに旧式の戦車M-55を提供したとき、ウクライナ当局は断らなかったという事実は注目に値する。
独立系アナリストはソーシャルメディアから写真や動画を探し出してロシアが何両の戦車を失ったか集計している。これまでに破壊、放棄、回収されたロシアの戦車は1425両を数えたという。ここには戦線で展開されている全モデルが含まれている。T-90、T-80、T-72、T-64そしてT-62だ。
ウクライナ側の損失はロシア軍より少なく、破壊、放棄、敵に回収された戦車はわずか336両だ。
ロシア軍が失った戦車には、37両のT-62M、6両のT-62MVが含まれる。T-62Mは1980年代にプログラムが改良されたもので、41トンのベーシックな戦車に新しいディーゼルエンジンと115ミリ主砲用の改良された火器管制システムを導入した。T-62MVは爆発力のある弾頭を避けるための反応装甲ブロックを備えたMモデルだ。
ロシア軍が放棄したT-62はほぼすべてが無傷だ。アナリストの分析で破壊が確認されたのはわずか5両のT-62Mと1両のT-62MVだ。その結果、37両のT-62が残り、理論上はウクライナ軍が清掃、再塗装、ウクライナ軍の無線を整備して再び戦場に送り出すことができる。ウクライナの旅団はすでに、ロシアがウクライナとの戦争を拡大してからの8カ月間にロシア軍から奪取した数百両のT-80、T-72、T-64を使用している。