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2022.10.28

米メタ、7〜9月の純利益半減 株価大幅安に

Getty Images

フェイスブックの親会社メタ・プラットフォームズが26日(米国時間)に発表した2022年7~9月期(第3四半期)決算は、純利益が前年同期比49%減の約44億ドル(約6400億円)と市場予想を下回った。

メタの株価は同日の時間外取引で一時11%急落した。世界経済への懸念などを背景にメタは広告事業が逆風にさらされており、コスト削減を急いでいる。

同期の1株利益は1.64ドルとなり、アナリスト予想の1.89ドルに届かなかった。売上高は4%減の約277億ドル(約4兆円)だったが、予想の274億ドルをやや上回った。

メタは、10〜12月期の売上高は300億〜325億ドル(約4兆3700億〜4兆7400億円)になりそうだとの見通しも示した。これはアナリストの予想平均の下限寄りになる。

メタの株価は決算発表直後に11%下げ、年初来の下落幅は61%に広がった。下落幅はハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数の30%よりもはるかに大きくなっている。

バンク・オブ・アメリカのアナリスト、ジャスティン・ポストは決算発表前のリポートで、メタ株の投資判断を「中立」に引き下げた。来年も107億ドル(約1兆5600億円)が見込まれる没入型仮想世界「メタバース」への投資が引き続き株価の重荷になると予想し、経済をめぐる懸念がさらに高まるおそれもあると言及した。

広告収入の伸び悩みや経済的圧力に直面するメタは1カ月足らず前、一部チームの再編や採用凍結によるコスト削減計画を発表していた。今週には、3億ドル以上の株式を保有する投資家から、従業員の解雇による一段の経費削減を求められている。

メタのデビッド・ウェナー最高財務責任者(CFO)は決算発表で「営業費用の各項目について精査を強化した」と説明する一方、従業員数は来年も現在の水準からほぼ横ばいだろうと述べた。7〜9月期のフリーキャッシュフロー(営業経費を差し引いて残った現金)は1億7300万ドル(約252億円)と、前年同期の95億ドルから大幅に減っている。

創業者のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は先月開いた社内会議でコスト削減計画について従業員に説明した際、「今ごろはもう経済がもっとはっきり安定化していると期待していたけれど、わたしたちの見る限りまだそうなっていないようだ。なので、もう少し慎重に計画を立てたい」と語ったという。

フォーブスの推計によると、26日の取引終了時点でザッカーバーグの保有資産額は472億ドル(約6兆8900億円)。メタの株価が最高値をつけた2021年9月以降、ザッカーバーグの資産は60%超減っている。

forbes.com 原文

編集=江戸伸禎

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