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2022.10.28 11:15

アディダス、採用を一時停止 需要減退にカニエとの提携解消が追い打ち

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ドイツのスポーツ用品大手アディダスは、採用を凍結したことを明らかにした。アディダスは25日、反ユダヤ主義的な言動で批判を浴びていた著名ラッパー、イェ(Ye、旧名カニエ・ウェスト)との提携関係を解消していた。イェ側と共同開発した「Yeezy(イージー)」ブランドに携わっていた従業員は配置転換するとし、解雇は計画していないとしている。
 
アディダスの広報担当者は、従業員を解雇するつもりなのかという質問に「それは議論の対象になっていない。従業員の能力とスキルは社内で必要としている」と回答。スニーカーやアパレル製品を展開するYeezy部門の従業員には今後、別の分野を担当してもらう計画だと明らかにした。一方、採用を凍結したことは認めた。
 
アディダスは苦しい状況に置かれている。きわめて重要なホリデーシーズンを前にイェとの協業打ち切りを余儀なくされた結果、今年の利益は2億5000万ドル(約360億円)ほど減少する見通しとなっている。投資銀行のコーウェンによると、Yeezyブランドはアディダスの年間売上高の約4~8%をもたらしていた。

Adidas yeezy shoes
Adidas yeezy shoes (Photo by Jeremy Moeller/Getty Images)
 
調査会社モーニングスターのアナリスト、デビッド・シュワルツは、アディダスとYeの提携解消について「アディダスはYeezyの全製品の生産を打ち切り、(イェ側への)ロイヤルティーの支払いも止めており、影響は予想以上に深刻なものになるだろう」と述べている。シュワルツによると、Yeezyの製品は高価格帯に属するため純利益に占める割合は売上高以上に高いとみられ、10~15%に達している可能性もあるという。
 
アディダスは先週、中国や米国、欧州での消費者需要落ち込みの影響で今年の利益は予想を下回りそうだとの見通しを投資家に示していた。アディダスは大量の売れ残りも抱えており、値引き販売をせざるを得なくなるおそれもある。アディダスはさらに、ロシア事業の縮小にともなう経費も発生するとみられる。
 
アディダスの株価は過去1年で69%下がっており、下げ幅はS&P500種株価指数の16%よりもはるかに大きくなっている。
 
forbes.com 原文

編集=江戸伸禎

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