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2022.10.29 14:00

電動キックボードの普及にともない高まる「場当たり的」な安全対策への懸念

Getty Images

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近年、米国の道路や歩道上で電動キックボード(eスクーター)が急速に普及しているが、運動機会の増加や環境・経済への好影響、より簡単かつ安価に移動できる選択肢の増加など、さまざまな好ましい変化がもたらされている。

しかし、このような利点の一方で、安全性には顕著な課題がある。乗り手を危険にさらしている規制、インフラ、教育の欠陥に対処するために何らかの対策が必要とされているのだ。

これらは、運輸研究委員会(TRB、Transportation Research Board)が、安全性の問題を提起することを目的に今月初めに発表した新しい報告書「E-scooter Safety, Issues and Solutions」(電動キックボードの安全性、その課題と解決策)に含まれる主な論点だ。

この新しい資料では、電子スクーターの利用拡大にともない新たに発生する行動安全の問題を説明し、負傷を防止・軽減するために現在行政が行っていることを論じている。

全州道路安全協会(GHSA、Governors Highway Safety Association)のジョナサン・アドキンス事務局長は声明で「数年前には目新しかった電動キックボードが、ありふれたものになっています」と述べている。「個人使用のコストは低く、スクーターシェアシステムも毎年、より多くの都市で拡大または開始されています」

TRBの報告書では、連邦政府のデータによると、2022年7月時点で電動キックボードシステムを導入している米国の都市は少なくとも158都市あり、2019年に稼働していた87システムのほぼ倍になっている。北米バイクシェアおよびスクーターシェア協会(North American Bikeshare and Scootershare Association)の報告によると、昨年シェアシステムを使った電動キックボードの走行回数は5200万回で、2020年から50%以上増加しており、同時に電動キックボードの個人所有も増加していて、この先も10年間にわたって増加すると予測されている。

報告書は電動キックボードのユーザーや市場における安全性のトレンド、行動や環境の要因ならびに、電動キックボードの事故、負傷、死亡の関係について論じている。また、各州の高速道路安全部局を代表する非営利団体のGHSAは、この報告書の中で、負傷を防止・軽減するために電動キックボードの使用を支援・管理・規制している都市の情報や、実際の事例を含めてまとめている。

しかし、報告書によれば、電動キックボードの安全性を評価するデータや研究は、マイクロモビリティと呼ばれる「この交通形態の急速な普及と拡大に比べて遅れをとっている」ことがわかったという。
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翻訳=酒匂寛

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