経済・社会

2022.10.27 12:15

ドイツも娯楽用大麻解禁へ、保健大臣の計画を議会が承認

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ドイツの国会議員らは10月26日、娯楽目的の大麻の購入と所有を非犯罪化する計画を承認したと複数のメディアが報じた。これは大麻の合法化へ向けた重要なステップであり、北米の大麻産業がヨーロッパで最も豊かで人口の多い国に参入する機会を与えることになる。

ドイツ連邦内閣は、娯楽用の少量の大麻の購入と所持、およびその販売と生産を合法化する保健省の提案を承認したと報じられた。カール・ラウターバッハ保健大臣が提出した計画では、成人が娯楽用に消費するための30グラムまでの大麻を購入・所持することを認めるとしている。

ラウターバッハ大臣は記者会見で、合法化の一環として、政府は大麻の生産、販売、流通を規制すると述べたと現地メディアのドイチェ・ヴェレは伝えた。大麻の栽培は1人当たり2〜3本に制限され、販売は専門店に限定される。計画によると、大麻製品の広告やマーケティングは禁止される予定という。

大臣は、この提案によりドイツで「ヨーロッパで最も自由な大麻の合法化」が実現し、「最も規制された市場」となると述べた。彼は、この合法化が大麻の健康上のリスクと闇市場の存在を考慮したもので、「安全第一」のアプローチの一環であるとアピールした。

ヨーロッパでは、娯楽用大麻を非犯罪化した国はほんの一握りで、合法化したのはマルタ共和国だけだ。ラウターバッハ大臣はドイツの取り組みが欧州全土の手本になり得ると述べた。合法化は、ドイツの若い大麻産業や、すでに合法化によって利益を得ている北米の企業にとって追い風になる可能性がある。

内閣での承認は、大麻の合法化に向けた長いプロセスの始まりになり得る。EUの一員として、ドイツの法律はヨーロッパの法律に準拠することを求められ、議員らは、詰めの甘い枠組みを作ると欧州司法裁判所に却下されることを恐れている。欧州司法裁判所は以前、加盟国は大麻の販売を阻止すべきだと述べていた。

ブルームバーグによると、ドイツ政府は21歳以下の成人向けの製品に含まれるTHCの量を制限することを検討する予定という。THCは、大麻に含まれる主要な精神活性成分で、高揚感の原因となる。THCの量が多い強力な大麻は、量が少ないものよりも多くの健康上のリスクと関連しているとされる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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