今回のラウンドは、英国のCurveなどのフィンテック企業の投資に特化したベンチャーキャピタルOutward VCが主導し、エンジェル投資家とファミリーオフィスらが参加した。
ロンドンに拠点を置くFlypは、Lee SieradzkiとOliver Gershfield、Gregg Kantorらによって設立された。
英国で家を売るプロセスは不必要に長く、不動産情報サイトZooplaのデータによると、米国では4週間で済むプロセスが17週間から34週間かかるという。また、英国のビジネス・エネルギー・産業戦略省によると、約33%の取引が失敗に終わっている。
不動産取引は様々な理由で失敗するが、最終的にはオーナーが過小な評価額で売却するケースが多いとされる。
Flypは、一般の売り手がこのような運命を回避するためのプラットフォームを開発した。同社は、人工知能(AI)とデータ分析を使って、売却する物件を査定して管理し、価値向上のために推奨される改修費用を負担する。
Flypの認定を受けた物件は、売り手と複数のエージェントをつなぐマーケットプレイスに追加され、すべての取引はプラットフォームを通じて管理される。同社によると、これまでに175件以上が同社のプラットフォームを通じて販売されたという。
「不動産市場における非効率性を解決しようとするスタートアップは数多く存在するが、彼らは買い手と売り手をつなぐエージェントの役割を軽視している」とGershfieldは述べた。Flypは、物件の売却時のレベニューシェアで収益を上げている。
Flypは、新たな資金でロンドンの不動産市場で足場を固め、最終的には英国の他の地域やヨーロッパへの進出を視野に入れている。同社は約30名のチームを擁している。
「現状の仕組みは破綻しており、新たな世代の売り手やエージェント、買い手は、より効率的で利幅が大きい取り引きの仕組みを求めている。我々は、自社の技術やデータと業界の専門知識を結集して、新たなシステムをゼロから構築した」と、Sieradzkiは述べた。
「家を売買したことのある人なら誰でも、そのプロセスがいかにもどかしいものであるかを知っている。多くの場合、売り手は時間もお金も専門知識もないため、物件の最大限の価値を引き出せないでいる」と、彼は続けた。
(forbes.com 原文)