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2022.10.26 17:15

ブラックサンダーは子どもの味方、児童労働撤廃の取り組みを完了

プレスリリースより

2015年に東京駅に義理チョコ専門店「ブラックサンダー義理チョコショップ」が登場するなど、義理チョコの代名詞でもあり、なにかとメディアに出ては話題にのぼる有楽製菓の大ヒットチョコレート「ブラックサンダー」。

児童労働撤廃に向け、2020年3月から原料を切り替える取り組みを行ってきたが、このほどカカオ原料の100パーセントが切り替わったことを発表した。

世界のカカオ生産量の約7割を占める西アフリカ地域では、農薬の使用や森林伐採で自然環境が破壊され、子どもたちを農園で働かせる児童労働が問題になっている。とくに日本のカカオ輸入量の8割を占めるガーナでは、18歳未満の子どもたちが77万人も労働にかり出されている。



2018年、そんな児童労働の実態を知った有楽製菓の河合伴治会長は、「子どもの笑顔を生むお菓子が子どもの笑顔を搾取した原料から作られている」と心を痛め、カカオ原料の切り替えを開始した。その甲斐あって、今年9月からブラックサンダーに使われるカカオ原料は、すべて児童労働に頼らないものとなった。

また同時に、有楽製菓では児童労働をなくすための活動も行っている。「スマイルカカオプロジェクト」と題して、農家からの仕入れ価格に、そのための活動費を上乗せして支払っているのだ。



今では大人にも人気のブラックサンダーだが、その名前の由来は子どもが喜ぶ戦隊モノのイメージを狙ってのものだった。1994年に発売されたが、販売不振のために1995年に一時生産終了。1996年、九州の一部店舗では人気があったので、九州の営業担当が会社に直談判して、なんとか生産を再開。2000年代に入ってからほうぼうで話題となり売り上げを伸ばしてきた。そして2021年、義理チョコから脱却しようと、バレンタインデーのための「告白練習用マネキン」を販売(即完売)するなど乗りに乗っている。

文 = 金井哲夫

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