ネットフリックスは、広告主に対してリーチやエンゲージメントなどの広告パフォーマンス指標を提供し、広告主は、番組の種類や国などによるターゲティングが可能になる。ただし、立ち上げ当初は、デモグラフィック・ターゲティングは利用できず、サービス開始は2023年第1四半期を予定している。
M&C Saatchi Performanceのブリジット・ホールは、「広告主は、ストリーミングTVのイノベーションと在庫オプションの増加に興奮しており、クロスデバイスのコンバージョントラッキングのための強固なターゲティングと高度な計測を期待している。ただし、初期の段階ではネットフリックスのCPMは高く、ターゲティングはそれほど高度ではないかもしれない」と述べている。
ネットフリックスはまた、ニールセンの広告視聴率計測サービスDigital Ad Ratings (DAR)との3年契約を発表し、来年中に測定を開始する予定という。それと同時にネットフリックスは、英国ではBroadcasters Audience Research Board(BARB)と視聴者測定に合意している。
広告つきプランは年内に50万人獲得予想
ネットフリックスの新たな「広告付きベーシック」プランの月額料金は米国では6.99ドルで、一度に1台のデバイスで利用でき、ダウンロードはできない仕様になっている(この料金は、ディズニーが12月に予定している広告付き新料金プランより1ドル安い)。
「広告なしのベーシック」は月額9.99ドルで、一度に1台のデバイスで利用できダウンロードが可能だ。広告なしの標準パッケージは月額15.49ドルで、2つのデバイスで同時に視聴でき、2つのダウンロードが可能だ。「プレミアム」は、4つのデバイスで同時に視聴でき、4つのダウンロードが可能だ。
2四半期連続で加入者数を減少させたネットフリックスは、10月19日の第3四半期の決算報告で、全世界の新規加入者数が240万人増加し、そのうち10万人が北米市場の加入者だと発表した。同社は、第4四半期に450万人の新規加入者を見込んでいる。
Ad Ageは、ネットフリックスの広告つきプランが、年末までに50万人の加入者を獲得する見込みだと報じている。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストのGeetha Ranganathanは、「ネットフリックスの第3四半期の加入者数は240万人で、ガイダンスの100万人の倍以上となり、ようやく上半期の減少を挽回したが、より大きな話題は第4四半期の見通しで、新たな広告サービスと堅調なコンテンツ群を考えると保守的に見える」と付け加えている。
「長期的には、広告つきプランがユーザー数の伸びの回復につながると期待されており、カニバリゼーションが唯一の最大の懸念事項ではあるが、堅調な広告収入が売上の再加速につながるはずだ」と彼は述べている。
(forbes.com 原文)