しかし、香港の政治家で北京の中央政府寄りであるレジーナ・イップ(葉劉淑儀)は、意見を異にする。
「行政長官が明確にしたように、香港は再開に向けて非常に慎重で段階的なアプローチをとっている。行政長官が打ち出したトップレベルの人材や企業を誘致する新施策は、香港の競争力を向上させると確信している」とイップは述べた。
リーは立法会での演説の冒頭、3日前に行われた中国共産党大会開会式での習近平国家主席の発言に呼応し、国家安全保障の重要性を強調した。彼は、19年前に市民の猛反発を受けて棚上げされた安全保障関連法の制定に向けた準備を進める考えを示した。
香港のミニ憲法と言われる基本法第23条は、反逆行為や国家機密の窃取、外国の政治団体による市内での活動などを取り締まる法律を制定しなければならないと定めている。中国政府は、2020年6月に政府転覆や分離独立、テロ、外国勢力との共謀を禁止する国家安全維持法を香港に課したが、基本法第23条の立法化は、その延長線上にあるものだ。
リーは、7月1日に候補者1名の選挙で信任を得て、香港の行政長官に就任した。警察出身のリーは、2019年に香港全土で大規模なデモを引き起こした逃亡犯条例の改正推進において重要な役割を担った。彼は、国家安全維持法の施行後、多くの政治活動家や野党議員、ジャーナリストが逮捕されたことを受け、米国から制裁を受けた11人の政府関係者の1人だ。
(forbes.com 原文)