各国の経済状況は悪化、インフレ圧力は高まっている
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、穀物、原油・天然ガス、希少金属、などの供給懸念が強まり、世界各国の経済状況が悪化しています。
【主要国・地域の四半期ベースの実質GDPの伸び率推移(2022年)】
2022年第一四半期 (米国)-1.6%、(EU)0.8%、(日本)0.1%
2022年第二四半期 (米国)-0.9%、(EU)0.7%、(日本)0.9%
米国の四半期ベースの実質GDP成長率は、2022年第1四半期が-1.6%、2022年第2四半期が-0.9%、と2期連続してマイナス成長でした。
インフレ懸念や金利上昇などの影響もあるためマイナスの数字のすべてがウクライナ侵攻によるものではありませんが、数値としては西側諸国の中心である米国に最もマイナスという結果になりました。
また、EUの四半期ベースの実質GDP成長率は、2022年第1四半期が0.8%、2022年第2四半期が0.7%、とやや伸びが鈍化しました。
EUは27か国で構成されているため、国によっては新型コロナ感染症からの経済的回復の恩恵を受けているところもあるため、EU全体としては米国ほどの経済悪化の数値を示すまでには至らなかったようです。
そして、日本の実質GDPは2022年1月〜3月が前期比+0.1%、2022年4月〜6月が前期比0.9%と復調しています。
しかし、日本の場合は新型コロナ感染症の落ち着きが個人消費を押し上げた効果が影響していると見られるため、物価上昇によるインフレ懸念や円安の影響がはっきりと現れるのは今後と思われるので引き続き注視していきたいです。
また、下記のグラフが示すように世界中で2020年以降、新型コロナ感染症の拡大と歩調を合わせるように消費者物価指数も高くなっており、インフレ懸念が強まっていました。
出典:https://honkawa2.sakura.ne.jp/4722.html
インフレ防衛の目的で米国のFRBは9月に0.75%の、欧州のECBも9月に0.75%の、それぞれ大幅な利上げに踏み切っています。
それでは、ロシアによるウクライナ侵攻を受けた、こうした経済環境下でどのような金融商品が注目されているのでしょうか。