大企業連携の要諦
──2022年の4月にロッテグループのCVCを立ち上げられました。スタートアップの資金調達や大企業との連携で留意すべき点は。
前提として、私自身の過去の資金調達経験はあまり参考にならないように思います。
リヴァンプ創業間もない頃に1週間で9億円の増資を完了させることができました。私や共同代表であった玉塚さんを信用してくれた資産家の方々が短期間で投資を決めてくださった。しっかりとした事業計画資料や資金調達スキームなどはいま思うと残念ながらありませんでした。
それでもいまの起業家の皆さんの参考になることをひとつだけ挙げるとすれば、投資をいただいた方たちからの「信用」こそが一番重要だということです。
いまでもリヴァンプの株主の皆様には感謝しかありません。我々の過去の仕事をご評価いただき、ありがたいことに「澤田、玉塚なら信用出来る」とご判断いただいたものでした。
──スタートアップ企業の大企業連携についてはいかがでしょうか。
大企業のトップのコミットメントをどのように引き出せるかが重要です。スタートアップ企業が大企業と連携するうえでこれが極めて大事なことのように思います。
そのためには経営レベルでスタートアップ企業と大企業の利害が一致していることが重要です。例えば私が社長をしていたときのファミマの経営課題はある程度明確でした。具体的には既存店客数減少、少子高齢化、労働力不足、現場労働力の多様化、人件費ほか色々なコストの増加など。
まずは自社が抱える課題は何かを明確に設定することが重要だと思います。