ビジネス

2022.10.26

バレンシアガも絶縁、カニエ・ウェストを「業界追放」の動き

Getty Images / Kanye West

反ユダヤ主義的な発言で批判を浴びるカニエ・ウェストとの取り引きを、大手芸能事務所や高級ブランドが中止する動きが起きている。

ハリウッドを代表する大手タレントエージェンシーの一つで、トム・クルーズらが所属するCAAは、ウェストとの仕事を止めたと、複数のメディアが10月24日に報じた。

制作会社のMRCは、すでに完成したウェストのドキュメンタリー作品を放送しないと発表し、「彼の主張を増幅させるようなコンテンツはサポートできない」と述べている。

ウェストと密接な関係にあり、最近のファッションショーで彼を起用した高級ブランドのバレンシアガ(Balenciaga)は21日、「このアーティストに関連するいかなる取り引きも、将来のプロジェクトの計画もなくなった」と述べ、ウェストと公に関係を断った最初の大手となった。

さらに、ユニバーサルミュージックグループ傘下のレコード会社Def Jamとの契約も終了し、ウェスト自身のレーベルのG.O.O.D. MusicもDef Jamとの関係を絶ったとニューヨーク・タイムズ(NYT)が24日に報じている。

タレントエージェンシーUTAのCEOで共同創業者のジェレミー・ジマーは、23日にスタッフに対し「ウェストのボイコットを支持するように」と伝え、タレントエージェンシーEndeavorのCEOアリ・エマニュエルは、スポティファイやアップルなどのウェストから収益を得ている企業はこのラッパーとの関係を断つべきだと述べた。

ツイッターのアカウントも凍結


ウェストは先月から反ユダヤ的な発言を繰り返しており、「ユダヤ人にデスコン3を仕掛けに行く」と発言したことで、ツイッターのアカウントを凍結された。また、インスタグラムでも、「ショーン・”ディディ”・コムズがユダヤ人に管理されている」と発言し、アカウントを制限された。

ウエストは先月、Gapが契約に違反したと非難した後に10年間のパートナーシップの解消を宣言する手紙を送っていた。Gapは25日にウェストのYeezyブランドの取り扱いを中止した。
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編集=上田裕資

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