ニューヨークに上場する中国企業10社の時価総額は計677億ドル(約10兆円)減少し、各社とも8%以上下落した。下落を牽引したのは、オンライン小売のアリババとテクノロジー企業のピンドォドォ(拼多多)の2社で、それぞれ13%と25%の下落に直面した。
この下落は、200社以上ある米国上場の中国企業株全体に及び、ナスダック・ゴールデン・ドラゴン・チャイナ指数は24日に14.4%下落した。
この日の急落は、中国が予想を上回る経済成長を報告し、米国市場が全般的に上昇し、ダウ平均とS&P500がそれぞれ1.3%と1.2%上昇した中で発生した。
香港に上場する中国株を計測するハンセン中国企業指数も24日に6.4%下落し、オフショア人民元は対ドルで1.3%上昇して1ドル7.3069元をつけ、2010年以降の最安値に沈んだ。
米上場の10大中国企業の時価総額は、2021年2月のピーク時の1兆6000億ドルから75%も下落し、24日に4010億ドルをつけた。
UBSの国際投資主任のマーク・ヘーフェルは、24日の顧客向けメモで、「中国の政治は長い間不透明だったが、今回の急激な権力の統合は投資家の不安を増大させている」と述べた。
OANDAのアナリストのエドワード・モヤは、習近平の3期目の指導部の発足は予想されたことだが、それでも「金融市場には歓迎されなかった」と述べ、投資家は習による強硬な企業統治と厳しい共産主義政策に不安を感じていると指摘した。ナスダック・ゴールデン・ドラゴン・チャイナ指数は24日に2013年以来の安値を付け、昨年春から80%近くも下落している。
米国に上場している中国株は、パンデミックの初期に爆発的に上昇したが、米中間の政治的緊張の激化や、他の国よりもはるかに厳しいロックダウン、企業の規制強化などの相次ぐ逆風の中で株価は地に落ちている。中国の大手企業数社は今年初め、米国の監査要件を拒否し、米国での上場を廃止する計画を発表したが、米中両国が規制当局に追加の会計情報を提供することで合意し、8月に上場廃止を撤回していた。
フォーブスは、アリババの共同創業者で筆頭株主であるジャック・マーの保有資産が、24日に9億ドル減少し、205億ドルになったと試算している。マーの資産は、2021年初頭の半分以下になっている。
(forbes.com 原文)