第2回目にゲストに迎えたのは、東京都に本社を置く琥珀バイオテクノロジーの代表取締役CEO ・山野幹夫。ほとんどの人が鉱物と思い込んでいる”琥珀”に健康食品としての可能性を見出し、新しい未来を切り開こうとしている山野に、琥珀にかけた20年以上の歩みについて聞いた。
クレイ勇輝(以下、クレイ):実は幹夫さんとは10年以上前からのお付き合いで、僕の経営の悩みを打ち明けたり、プライベートでも食事をさせていただいたりしてきました。
幹夫さんが設立した琥珀バイオテクノロジーは、琥珀という物質を扱って健康や美容にアプローチしている会社だということはよく知っているのですが、そもそも幹夫さんが琥珀でビジネスを始めたきっかけって何だったのかな、と不思議だったんです。というのも、琥珀って僕からすると映画『ジュラシック・パーク』のイメージが強くて(笑)、それをビジネスに変えた幹夫さんってすごいな、と思っていたんです。
山野幹夫(以下、山野):僕も最初は『ジュラシック・パーク』のイメージが強かったです(笑) 。 1億年前の虫や鳥といった動物の一部がそのままの形で琥珀の中に残っているのだから、ロマンのある物質ですよね。
山野幹夫(ヤマノビューティメイトグループ代表取締役社長)。2002年、 『琥珀研究所』を設立し、翌年、国立研究開発法人 理化学研究所と、14年には国立大学法人 筑波大学との共同研究を開始。 17年世界に類を見ない琥珀テクノロジーを活用して新分野に挑戦するため琥珀バイオテクノロジーを設立。
琥珀でビジネスを始めた一番の理由は、「まだ誰も実現していない、新しいものを作り出したい」と思っていたことです。その背景には、祖母・山野愛子の影響があります。祖母は、1957 年にドイツのバイエルン地方を旅行していたときに、偶然、泥を使った温泉治療を知ったことをきっかけに、日本で「山野愛子どろんこ美容」という会社を始めてサロン経営や商品開発へと展開させていった人物です。
当時の日本では泥を使った美容は珍しかったし、「どろんこ」なんて名前がついているものだから、孫の僕は友人にからかわれて嫌な思いもしました。しかし、大人になって自分も働き始めてみると、誰も気づいていなかったところに価値を見出し、それをビジネスとして成功させた祖母を尊敬するようになったんです。僕も祖母のようにまだ世にないものをつくり、自分の手で広めていきたい。そう思うようになりました。