資本主義ランキング
1位 味の素
総合スコア:83.2 従業員:85.5 株主:77.7
サプライヤー・地域:82.8 顧客・消費者:70.7 地球:99.8
「アミノ酸のはたらきで食と健康の課題解決」を志とし、ASV(Ajinomoto Group Shared Value)経営を推進。2030年までに「10億人の健康寿命の延伸」と「環境負荷50%削減」の実現を目指す。22年3月期の連結決算売上高は1兆1494億円で、16年度のIFRS導入以来最高。事業利益は1209億円で、3年連続で最高益を更新。
評価ポイント:気候変動による原材料調達不全などを事業リスクとして把握するとともに、企業価値拡大の機会ととらえて「サステナビリティと経済成長の両立」に取り組む。2021年度のスコープ1・2GHG排出量は、基準年である18年度比で27%減。25年度までにフードロス半減、30年度までに廃棄プラスチックゼロ化も目指す。また、ASVの「自分ごと化」に向けた独自施策によって従業員エンゲージメントも向上している。
2位 花王
総合スコア:82.2 従業員:87.3 株主:73.2
サプライヤー・地域:91.3 顧客・消費者:85.8 地球:82.5
2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を策定。22年には「脱炭素」「プラスチック包装容器」「人権・DEI」「化学物質管理」を扱う4つの「ESGステアリングコミッティ」を設置し、ESGのガバナンス体制を強化。21年12月期の連結決算売上高は1兆4188億円(前年比2.7%増)。営業利益は1435億円(同18.3%減)、純利益は1096億円(同13.1%減)。
評価ポイント:消費が前提のモノづくりから資源循環させるモノづくりへの変革を表明。同社の強みを生かした「誰ひとり取り残さない」活動にも注力。デング熱まん延防止に向けてタイ政府と共同事業を立ち上げ、デング熱を媒介する蚊よけ技術を応用した商品やサービスの売り上げの一部を啓発活動や研究活動、低所得者層への商品・サービス提供のために寄付。事業と社会貢献を組み合わせた活動が高スコアにつながった。
3位 中外製薬
総合スコア:80.7 従業員:87.3 株主:73.2
サプライヤー・地域:91.3 顧客・消費者:72.7 地球:76.0
2002年のロシュ社との戦略的アライアンスと同社のサイエンス力や技術力を基に、独自のビジネスモデルを構築。革新的な新薬の創出に注力する。21年12月期の連結決算売上高は9998億円(前年比27.1%増)。営業利益は4219億円(同40.1%増)、純利益は3030億円(同41.1%増)で、5期連続で過去最高益を更新。
評価ポイント:「共有価値の創造」をサステナビリティ戦略にも盛り込み、各ステークホルダーとの価値共有を明確化。そのなかで、コロナ禍での医薬品売り上げが好影響を与え、国内・海外ともに製商品売上高が前年同期を大きく上回り増収・増益。D&Iにおいてもロードマップの策定・実行によって成長基盤を強化。全方位のステークホルダーをしなやかに巻き込むサステナビリティ戦略により、長期的な成長が期待される。
4位 ファーストリテイリング
総合スコア:79.7 従業員:88.5 株主:88.3
サプライヤー・地域:56.9 顧客・消費者:68.9 地球:82.0
ユニクロなど複数のブランドを世界で展開。2021年8月期の連結決算売上高は2兆1330億円(前期比6.2%増)、純利益は1698億円(同88.0%増)と大幅増益。
評価ポイント:「People」「Planet」「Community」の3つを柱にサステナビリティ戦略を推進。全管理職に占める女性比率は42.6%、障がい者雇用率は4.6%など、ステークホルダーのなかでもD&Iに関する高い指標がランキングのスコアに貢献。