「欧米の求婚といえば、ひざまずき、指輪を渡し、『結婚してくれますか?』のバリエーションの1つをいうのが一般的です」と本研究の主著者であるリサ・ホップロックはいう。「プロポーズはサプライズで行われることがよくあります。私の研究でわかったのは、喜ばれるサプライズがある一方で、恋愛関係におけるプロポーズのタイミングはサプライズであってはならないということです。つまり、結婚するのか、いつ結婚するのかということについて、カップルは同じ認識を持っているべきなのです」
具体的に、ホップロックの研究は以下の発見をもたらした。
・プロポーズが受け入れられたカップルは、以前から結婚について話し合っていた比率が高く、プロポーズは恋愛関係の遅い時期に行われる傾向がある
・断られたプロポーズでは、求婚した側は相手が自分と同じ認識でいると思いこんでいる場合が多い。あるいは、関係をつなぎとめるためのプロポーズであった(たとえば、関係が破綻したり、けんかしている時などに、関係をよくしようとしてプロポーズした)
・成功したプロポーズでは、拒否されたプロポーズより指輪が贈られた率が高い
・成功したプロポーズは、2人だけの場所で行われることが多い
これらの結果を踏まえてホップロックは、良いプロポーズに必要な3つの要素を挙げた。
1. サプライズがないこと。プロポーズを受ける側が、結婚について事前に話し合っていない状態に置かれていた場合、答えが『ノー』になる可能性は高い。こと結婚に関して、サプライズが喜ばれることはめったにない。
2. 宝石。指輪のあるプロポーズは成功率が高い。指輪は、送り手の思いと努力と資産がこの決断に注がれていることを表す。
3. プライベートな環境。他人の前で結婚を申し込むことは、パートナーに多くのプレッシャーをかけることになる。2人だけのプロポーズは、相手が誠実で正直で無防備な返事をするために必要な空間を与える。
またホップロックらは、女性からのプロポーズが男性からよりも成功しにくいことも発見した。ホップロックによると、これはジェンダー規範によるところが大きい。たとえば、ある研究対象の男性は、パートナーからのプロポーズを断ったが、それは自わからプロポーズしたかったからだった。
「欧米の脚本では、プロポーズは男性から女性にするものです」とホップロックはいう。「男性を求婚する側に、女性を求婚を受ける側にすることで、あなたが脚本どおりに進める方法を知っていることが強調されます」
なぜこうした「脚本」が、私たちの行動の重要な部分を支配するのか、そのことがしばらくの間ホップロックの好奇心をそそり続けた
「脚本は、人生に意味をもたらし、他の人々とつながる助けになります」とホップロックは説明する。「人生脚本理論によれば、祝福は人生や出来事が脚本通りに進んだときによく起こります。しかし、脚本通りに進まなかった時、社会的影響が起こるのです(たとえば他人が陰口や批判をいう)」
リサ・ホップロックが自身の最新研究について説明するインタビューの全篇はこちらで読める。
(forbes.com 原文)