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2022.10.24

1年弱で15兆円を失ったイーロン・マスクに注がれる厳しい視線

イーロン・マスク(Getty Images)

昨年11月、テスラCEOのイーロン・マスクは、人類初の保有資産が3000億ドル(約44.6兆円)を超える人物となったが、それ以来さまざまなことが起きている。彼は、数カ月にわたる騒動の後にツイッターを買収する見通しで、買収が実現すればスタッフの75%を解雇する予定だと報じられている。

彼はまた、自身が創業した神経インプラントを開発する企業「ニューラリンク」の従業員との間にこっそり双子をもうけ、グーグルの共同創業者セルゲイ・ブリンの2番目の妻、ニコール・シャナハンとの不倫を噂された。マスク自身はこの噂を否定した。

彼の保有資産は、昨年11月4日のピーク時に3203億ドルだったが、今年の10月20日時点で2094億ドルと、1000億ドル(約14.9兆円)以上も減少したが、その原因のほとんどはテスラ株の急落によるものだ。マスクの資産は今月だけで280億ドルも減少した。

19日に発表されたテスラの第3四半期決算の収益はアナリスト予想を下回った。さらに、迫りくる不況がテスラを追い込むことを投資家は懸念している。「マスクは、高価格の車両を販売しているため、リセッションは彼のビジネスにダメージを与えることになる」と、Miller Tabak + Co.のストラテジストのMatt Maleyは述べている。

マスクは今でも世界で最も裕福な人物であり、彼の資産はLVMHのベルナール・アルノーを600億ドル、ジェフ・ベゾスを710億ドルも上回っている。昨年ベゾスの保有資産を上回ったときに、マスクはフォーブスに宛てたメールで、「ベゾスに2という数字が書かれた巨大な置き物を送りたい」とジョークを飛ばしていた。

マスクは昨年、ツイッターの買収資金を調達するために、310億ドル相当のテスラの株を売却した。買収はまだ確定していないため、フォーブスはこの取引で得た現金を彼の資産に算入している。しかし、投資家はマスクがツイッターを過大評価し、無責任にテスラ株を売却していると考えている。

「テスラの投資家にとって問題なのは、この取引のためにマスクがさらに株を売る可能性があることだ。これは、史上最悪の、最も過払いなM&A取引の1つとして語り継がれるだろう」と、ウェドブッシュ証券のアナリストのダン・アイブスは述べている。

一方で、テスラの見通しについてより楽観的な見方をする人もいる。CFRA Researchの株式アナリストのギャレット・ネルソンは、「テスラは中長期的に市場で最も強力な成長ストーリーの一つであり続ける」と述べ、最新の四半期の記録的な販売台数に勇気づけられていると語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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