バスタブに張った水にも浮くほどの軽さだ。
TOI-3757 bは、私たちの太陽系外にある恒星を回る太陽系外惑星で、天の川銀河の星の約70%を占める冷たい赤色矮星の1つを周回している。約580光年離れたぎょしゃ座にあり、北半球では今月は日没後に東から昇ってくるのが見える。
その質量は1立方フィートあたり約17グラム、1立方センチメートルあたりでは約0.27グラムと計算されている。これは木星の4分の1、土星の半分でマシュマロと同程度の密度だ。
この数週間前には、また別の2つの太陽系外惑星(そのうちの1つは 「鉄の雨」 が降っている)の上層大気に、花火の緑色を作るのに使われるバリウムが発見されている。
TOI-3757 bは、赤色矮星のまわりに発見されたガス惑星としては、これまでで最もふわふわとした軽い惑星だが、その発見はある種の驚きだった。赤色矮星は私たちの太陽のような恒星よりも温度が低いにもかかわらず、惑星から大気を吹き飛ばすことができると思われる強力なフレアをしばしば発生させるからだ。
カーネギー研究所地球惑星研究所の研究者で、『Astrophysical Journal(天体物理学誌)』に発表された論文の筆頭著者であるシュバム・カノディアは 「これまで赤色矮星の周りに巨大惑星が形成されるのは難しいと考えられてきました」と述べている。
発見が行われたアリゾナ州のキットピーク国立天文台(Getty Images)
これまで天文学者は、巨大な木星サイズの惑星を、赤色矮星からさらに遠い距離にしか見つけることができていなかった。「これまでこのような巨大惑星を持つ星系は、赤色矮星の周りでは極めて稀であるとされていましたが、それをさらに発見することで、惑星がどのように形成されるかを理解することが私たちの目標の1つです」とカノディア教授は述べている。
TOI-3757 bはどのように形成されたのだろう? その理由の1つは、進化の速度が特に遅く、それがガスの増大に影響を及ぼし、その結果、現在の密度が変化したためではないかと研究者らは考えている。もう1つの可能性は、その軌道がわずかに楕円であることに起因するのかもしれない。もしそうなら、TOI-3757 bは周回している恒星に時々接近し、過熱と惑星の大気の膨張を引き起こす可能性がある。
NASAの太陽系外惑星探査衛星(TESS、Transiting Exoplanet Survey Satellite)によって発見されたこの惑星は、直径10万マイル(約15万キロメートル)と木星よりわずかに大きく、やがて恒星周回の軌道を3.5日で回っていることが明らかになった。
ペンシルバニア州立大学の博士研究員で、論文の第二著者であるジェシカ・リビー・ロバーツは「この先行われる、NASAの新しいジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使ったこの惑星の大気の観測が、そのふわふわした性質を明らかにするのに役立つかもしれません」と述べている。
最近天文学者たちは、赤色矮星の周りにはこれまで予想されていたよりもはるかに多くの地球型系外惑星が存在している可能性があることを示唆し、この10年以内に海、海岸、大陸を持つ系外惑星が見つかるだろうとしている。
(forbes.com 原文)